検疫のため横浜港沖に停泊している大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号について、横浜市は4日、乗客の下船は5日以降になると発表した。乗客と乗務員の健康状態を確認することに時間がかかっているという。船内にとどまる乗客が朝日新聞の電話取材に応じ、不安や詳しい情報を求める思いを語った。

 「やっぱり下船できないんだ。明日以降、どうなるのだろうか……」。松山市の女性(69)は4日夕、下船が5日以降になったことがわかると、声を落とした。

 女性は夫(75)と2人で1月20日に横浜から乗船した。

 同乗していた香港の男性が新型コロナウイルスに感染していることを知ったのは、2月3日午後8時ごろに流れた船内放送だった。同時に、船内で検疫を実施することも伝えられた。

 対象は乗客・乗員約3700人。検疫は何時に来るのか、情報がないため不安になり、旅行会社に携帯電話で問い合わせると、「午前5時ごろではないか」。2人で寝ないで待ったが、来なかった。

 4日朝、営業していたレストランで朝食を済ませ、部屋で待った。午前11時ごろ、検疫官2人が部屋に来た。熱を測って問診票を書き、2分ほどで終わった。いつ下船できるのか検疫官に尋ねたが、「すみません」と言葉を濁された。

 幸い船内では目立った混乱はなく、ショーが見られたりコンサートが催されたり。それでも情報を求めて、フロントには乗客の列ができていたという。

 夫は「もっと情報を発信すべきだ。体も弱ってしまう。ハッピーな気持ちで帰りたかった」と話した。