兵庫県・淡路島の洲本市で2015年3月、住民5人を刺殺したとして無職平野達彦被告(45)が殺人罪などに問われた事件で、一審の死刑判決を破棄して無期懲役とした先月27日の大阪高裁判決を不服として、被告側が最高裁に上告した。10日付。

 弁護側は控訴審で「被告は妄想に支配されて犯行に及んだ」として、刑罰が科されない心神喪失か、少なくとも刑が軽くされる心神耗弱状態だったと訴えていた。検察側は上告しなかったため、最高裁が刑をより重くすることはできず、死刑は適用されないことが確定している。

 高裁判決によると、被告は15年3月、民家2軒で、当時50〜80代の男女5人をナイフで多数回突き刺して殺害した。高裁は控訴審で実施した3度目の精神鑑定の結果などをふまえて、被告が妄想の強い影響を受けて犯行に及んだとして、善悪を判断し、行動を制御する能力が著しく衰えている心神耗弱状態にあったと認定。完全責任能力を認めて求刑通り死刑とした、17年3月の一審・神戸地裁での裁判員裁判の判決を破棄していた。(遠藤隆史)