世界的な冒険家だった故植村直己さんを記念した冒険賞の2019年受賞者が12日に発表され、ヨットで太平洋を無寄港で横断した全盲のセーラー、岩本光弘さん(53)が選ばれた。

 熊本県天草市出身。妻に誘われて35歳でヨットを始めた。13年に太平洋横断に挑んだが、出航6日目で遭難して海上自衛隊に救助された。2度目の挑戦となった今回は昨年2月、米国人男性と組んで米サンディエゴを出航。福島県いわき市まで55日間で達成した。岩本さんは「目が見えない人が太平洋を渡った。若い人がやりたいことを見つけた時、それを思い出して、僕もやろうという方向にかじを切ってくれたら」と語った。

 現在は米サンディエゴ在住。次の冒険の構想を問われると、「今言えない状態です。昨年はほぼ仕事をしなかったので、妻は『稼げ』と」と報道陣を笑わせた上で、「こういう性格だから、時間がたったらまた新たな冒険心が出てくるんだろうな」。