新型コロナウイルスによる肺炎が世界で広がっている問題で、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は12日、記者会見を開いて「この集団発生はまだ拡大する可能性がある」と述べた。

 中国国家衛生健康委員会が同日、中国本土での新規の感染者数が減少傾向にあると明らかにしていたが、楽観しないよう警鐘を鳴らした形だ。同国政府の専門家グループを率いる医師も11日、ロイター通信の取材に答えて、ウイルスの流行が「今月の半ばか下旬におそらくピークを迎える可能性がある」と述べていた。

 また、会見でテドロス氏は、感染者がいる恐れがあることを理由にクルーズ船の入港や乗客の下船が拒まれていることについて、「根拠に基づかないリスク評価が、しばしば行われている」と指摘し、改善を求めた。

 「入港が拒まれるなどしたクルーズ船が2隻ある」とも述べ、横浜港から乗客が下船できないでいるダイヤモンド・プリンセス号と、日本やタイが入国を拒んだウエステルダム号に言及した。船舶の自由な入港や上陸などの原則を定めた、国際保健規則を順守するよう各国に求めた。

 ウエステルダム号の受け入れを決めたカンボジアについては、「これこそ我々が求めていた国際的な連帯だ」と評価した。(ジュネーブ=疋田多揚)