走行中の車に極端に近づく「あおり運転」などに適用される道路交通法の「車間距離保持義務違反」の取り締まり件数が昨年、1万5065件だったことが警察庁への取材でわかった。摘発を強化した前年より2040件(15・7%)多く、この3年間で2・1倍に増えている。

 現行の道交法にあおり運転そのものの規定はなく、警察は車間距離保持義務違反で摘発することが多いが、取り締まり件数は2017年まで減少傾向だった。しかし、同年6月に神奈川県の東名高速であおり運転により停車させられたワゴン車が大型トラックに追突され、夫婦2人が死亡した事故をきっかけに社会問題化。これを受け、警察庁が18年1月、摘発の強化を指示した結果、急増した。昨年の取り締まりの91・5%が高速道路上で、パトカーや白バイ、ヘリコプターで摘発したという。

 ほかに、事故を起こして死傷者を出したとして自動車運転死傷処罰法の危険運転致傷(妨害目的)を適用したのが32件、同致死は1件で、合わせて前年より8件多い。刑法を適用した悪質な事案は15件増の44件で、罪種別では、暴行34件、傷害7件、威力業務妨害2件、強要1件。茨城県の常磐道で昨年8月に起きた事件では、急ブレーキなどを繰り返し車の進路をふさいで無理に停車させたとして、強要容疑で初めて摘発した。

 また、悪質なあおり運転で全国の公安委員会が運転者を免許停止の行政処分としたのは52件で、過去最多だった前年を10件上回った。

 あおり運転対策として、警察庁は道交法であおり運転を新たに規定して罰則を設けるとともに、一度で免許取り消しにする方針を決定。開会中の通常国会に道交法改正案の提出を目指している。(八木拓郎)