新型コロナウイルスの感染拡大防止を狙い、大阪府と兵庫県の知事が、両府県間の往来自粛を求めた3連休初日の20日。生活圏が一体の京阪神の住民からは戸惑いの声が上がり、客足の回復を期待していた観光地からは嘆きが漏れた。

 兵庫県内からの多くの人が訪れるJR大阪駅前。大学4年の秋山望美さん(22)ははかまをはいて、兵庫県姫路市から電車で来た。卒業式や謝恩会が中止になったため、同級生とはかま姿で記念撮影をする約束をしていたからだ。

 自粛要請が19日夕方に出されたが、前日にはかまのレンタルをやめると高額なキャンセル料がかかる。悩んだ末に会うことを決めた。「卒業したら離ればなれになるし、思い出作りもしたかった」と話す。

 阪急大阪梅田駅近くの商店街は閑散とした状態が続く。和菓子店の70代の男性店長は「2月末ごろから人通りが普段の半分以下に減った」と嘆く。

 春の彼岸に入り、客足が戻るのを期待したが、肩すかしをくらった感じだ。「これまで3連休は他県からの客も多く、かき入れ時なのに。墓参りも自粛なのかな」と肩を落とした。

 神戸市の代表的な観光地、北野の異人館街は外国人観光客が激減。北野観光案内所によると、例年この時期は1日当たり約300人が案内所に来るが、20日は100人余りだった。

 担当者は「自粛要請が追い打ちをかけたのではないか」とみる。「2009年の新型インフルエンザの時も客足が落ちこんだが、これほどひどくなかった。収束の兆しが見えない」と不安を隠せない。