東京都内に現存する最古の木造駅舎とされるJR原宿駅(渋谷区)の駅舎が21日未明、終電の運行終了後にシャッターが閉じられ、その役割を終えた。21日朝からは新駅舎が開業し、旧駅舎は東京五輪・パラリンピックの大会終了後に解体される予定だ。

 1924(大正13)年に完成した旧駅舎は、屋根上にある小さな尖塔(せんとう)が印象的な欧風のデザインで知られる。JR東日本によると、法律が定める耐火性能を保てないため、取り壊すことになった。跡地の再開発では、外壁のデザインなどを再現した建物に建て替えるという。

 新駅舎は2階建てで、1階にコンビニ、2階にカフェが入る。床面積は旧駅舎の4倍に広がり、コンコースは開放的なガラス張りに。山手線のホームは2本に増え、それぞれ外回りと内回りの専用となる。出入り口は竹下口と表参道口(東口)に加え、新たに明治神宮側に西口ができる。

 21日午前1時10分すぎ、旧駅舎のシャッターが下ろされ、整列した駅員が「96年間ありがとうございました」と頭を下げた。長く親しまれた建物の姿を写真に収めようと、シャッターを切る人の姿があった。

 地元・渋谷区で生まれ育ったという小島周吉さん(52)は一眼レフカメラを携え、最後の瞬間を見届けに来た。「ファッションなど常に先端を行く街でも、変わらず周囲に溶け込む魅力がありました」と惜しんだ。「時代が進んでいるのだとつくづく感じます。しょうがないことですが、新駅舎は温かみが感じられないですね」とつぶやいた。(細沢礼輝、兼田徳幸)