山口県萩市の雲林寺(うんりんじ)で、本堂に並ぶ約100体の木彫りのネコがすべてマスク姿になっている。「ネコ寺」として知られ、国内外から多くのネコ好きが訪れる人気スポットだが、新型コロナウイルス感染症の影響で拝観を休止中。住職が写真をSNSに投稿したところ、「かわいい」「癒やされる」との声が相次いでいる。

 雲林寺は400年ほど前、長州藩を起こした毛利輝元の菩提(ぼだい)寺の末寺として建てられた。菩提寺には、輝元が亡くなった際に殉死した武将の長井元房が飼っていたネコが、元房の墓に四十九日まで寄り添い、その後に舌をかみ切って死んだという伝説がある。

 公共交通が少ない萩市のむつみ地区にあるが、昨年は1万8680人が拝観した。中国や台湾、韓国などからの訪日客も多い。本堂ではネコ好きの住職角田慈成(すみだじせい)さん(49)らが拝観者をお茶でもてなし、国境を超えてネコ談議に花を咲かせる光景が見られた。だが新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、31日までの予定で拝観を休止している。

 ネコのマスクは地蔵をあしらった柄が多いが、中には子ども用の布おむつを活用したものもある。角田さんと妻の覚子さん(42)が手作りした。

 角田さんは「お地蔵様には疫病退散を願う意味を込めた。闘病中の人たちに、休校やイベント自粛で息が詰まりそうな気分の人たちにエールを送りたいと考えた」と話す。(伊藤宏樹)