東京電力は24日、福島第一原発にたまる処理済み汚染水の処分について、海洋放出した際の拡散予測を初めて発表した。想定した中で最も多い量を放出した場合でも、最後まで取り切れない放射性物質トリチウムの濃度がいまの海水の水準を超えるのは南北30キロ、沖合2キロの範囲となる。東電は「発電所の近くに限られ、濃度も飲料水基準より十分低い」と説明した。

 技術的に実施しやすい海洋放出を有力視する経済産業省の小委員会の提言を受け、政府は4月6日から福島県で地元関係者の意見を聴く会合を始める。それに先立ち、具体的な検討状況を示すのが狙い。

 東電によると、タンクにたまる処理済み汚染水は約120万トン。まず、多核種除去設備(ALPS)などで再度処理して、トリチウム以外の放射性物質を放出可能な基準値を下回るまで取り除く。

 海洋放出の場合は、この処理水をさらに海水で薄め、トリチウムの濃度を、東電が現在運用している排水基準(1リットルあたり1500ベクレル)未満まで下げる。大気放出では水蒸気にした後、空気と混ぜて十分に薄める。タンクの水に含まれるトリチウムの総量は約860兆ベクレル。どちらの方法でも一度に大量に放出せず、最大30年ほどかける見通し。