通信教育大手ベネッセコーポレーション(岡山市)の顧客情報流出をめぐり、顧客が損害賠償を求めた2件の訴訟の控訴審判決で、東京高裁は25日、計622人に対し、1人当たり3300円を支払うようベネッセ側に命じた。総額は約200万円になる。白石哲裁判長は「情報が流出したことで私生活上の不安や失望感を生じさせた」と指摘し、請求を棄却した一審を取り消すなどした。原告側は金額を不服として上告を検討する。

 判決は、ベネッセが業務を委託していた会社には、情報流出を防止できたのに措置をとらなかった注意義務違反があったと指摘。ベネッセも業務委託先を適切に監督する注意義務を怠ったとして、双方に過失があったと認めた。

 ベネッセの情報流出は2014年に発覚。業務委託先の従業員が約3500万件の顧客情報を持ち出し、名簿業者に売却した。ベネッセは対象者におわびとして500円分の金券を送った。顧客らが複数の集団訴訟を起こし、1万人以上が原告となっている。

 ベネッセは「判決内容を精査したうえで、今後の対応を検討してまいります」とコメントした。(新屋絵理)