■コロナQ&A(運動編) 回答:久野譜也・筑波大学大学院教授(健康政策)

Q 自宅で働く機会が増え、「コロナ前」に利用していた勤務先近くの施設に通いにくくなりそうです。運動をする時間や場所は、これからどうなっていくのでしょうか?

 A 平日の通勤を前提として、駅周辺やオフィス街の近くに設置されている運動施設は少なくありません。コロナ後にオフィスへ出勤しない働き方が増えると、平日の時間の使い方も変わると予想されます。

 コロナ後の生活の変化は、スポーツ関連ビジネスにも変化を生むはずです。たとえばシャワーや更衣室が当たり前だったスポーツジム。これからは自宅からスポーツウェアで歩いていける手軽さが標準になるかもしれません。

 人は10分以内であれば歩いて移動しようとするというデータがあります。若者で800メートル前後、高齢者で400メートル前後くらいでしょう。その範囲にコミュニティーや立ち寄り先を作れば、自然に歩く機会が増えます。

 国や自治体も、コロナ後の生活の中に運動が取り入れられるよう、まちづくりを工夫すべきです。

 我々が研究・推進している健康政策「ウォーカブルシティー」は、自宅から中心市街地への主要な移動手段が公共交通機関になるよう道路や駐車場の仕組みで誘導し、その結果として歩く機会を増やします。欧州の都市が導入していて、健康だけでなく、歩行中の「寄り道」が地方経済にも効果をもたらすこともわかっています。

 公共交通機関のあり方については「3密」が生じる問題を解決し、バージョンアップする必要があり、パリでは既に自転車道路の拡充が行われています。(構成・忠鉢信一)

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 くの・しんや 1962年生まれ。高齢化社会の問題に取り組み、科学的根拠に基づいた健康政策の構築を目指す。スポーツ審議会委員。