名古屋市中村区の家電量販店で3月、「俺コロナだよ」と言って業務を妨害したとして威力業務妨害の罪に問われた同区の派遣社員岸野尚史被告(43)の判決公判が26日、名古屋地裁であった。田辺三保子裁判官は懲役10カ月(求刑懲役1年6カ月)の実刑判決を言い渡した。

 判決によると、岸野被告は3月29日午前11時16分ごろ、酒に酔った状態で、家電量販店で店員に「俺コロナだよ」などと言い、警察への通報や店内の消毒などをさせて業務を妨害した。

 田辺裁判官は、「酔った状態で安易軽率に発言したと考えられるが、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な社会問題となっていたことからすると、発言が店舗の営業のみならず社会全体に及ぼした影響は大きく、結果は重大」と指摘。岸野被告に複数の前科があり、今回のように飲酒した上での犯行もあったことを考慮し、実刑と判断した。

 言い渡し後、田辺裁判官は岸野被告に向かって、「思っている以上に影響は大きかったということです」と述べた。

 公判では、岸野被告が飲酒した上でスマートフォンを購入しようと来店したが、契約手続きに時間がかかることにいらだち、犯行に及んだとされた。岸野被告は「コロナは強いインフルエンザ程度のものだという認識だった。冗談のつもりだった」と述べていた。(小松万希子)