コロナ禍による長期休校や、感染防止に細心の注意を払いながらの学校生活に、多くの子どもたちがストレスを抱えています。保護者や先生たち大人もまた、不安や戸惑いを感じているなか、そうした子どもの心にどう寄り添えばいいのでしょうか。朝日新聞が開いたオンラインイベントでの対話などから考えます。

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ストレスを抱える子どもの心にどう寄り添うか。6月14日に朝日新聞のオンラインイベントがあり、リアルタイムや、SNSで読者と情報交換する「#ニュース4U」に事前に寄せられた相談について、精神科医の大野裕さんと、校内に「居場所カフェ」をつくった大阪市立市岡中学校長の西川孝治さんに記者2人がアドバイスを聞きました。

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 「子どもの本当の気持ちを知るには」「子どもと長い時間すごす中で、どうしてもイライラしてしまう」。保護者から多かった声です。

 西川さんは、自校につくった「居場所カフェ」が、「親や先生とは違う、おっちゃん、おばちゃん、お兄ちゃん、お姉さんみたいな人と『斜めの関係』の中でちょっとしたおしゃべりができ、子どもたちの第三の居場所になっている」と紹介。大野さんは「そもそも人の心を知るのは難しい。私も妻から『よくそれで精神科医をやっているね』と言われる」と笑い、「大切なのは、子どもが気持ちを伝えやすい環境を作ること。親が『子どもの気持ちを理解しなければ』と自分を追い詰めると、関係はかえってぎくしゃくしてしまう。『斜めの関係』で話を聞いてもらえる安心感は、今後生きていく上でも大きな力になる」と続けました。

 「イライラ」について、大野さんは、子どもを思い通りに動かそうとするのではなく、「子どもに何を、なぜ期待しているのかを自分に問い直してみることが大切」と助言。生徒たちに「アンガーマネジメント」の手法を伝えているという西川さんは、「昔は『怒るな。我慢せえ』という風潮だったが、生きていれば怒りの感情がわくのは当然のこと」とした上で、「怒りの温度計」で感情を可視化したり、いったんその場から離れて心を静めたりしながら、気持ちを伝える表現力を養おうととりくみ、効果が出ていることを紹介しました。

 「学校職員の不和や心の不調に、どう対処すればいいか」「子どもたちに寄り添いたいが、授業や消毒作業に追われ、心身ともに限界だ」。学校の先生たちからも、多くの声が寄せられました。