光をあててがん細胞を壊す「光免疫療法」で使う新薬について、楽天メディカル(米国)は29日、臨床試験(治験)の結果を待たずに製造販売の承認が得られる日本の「条件付き早期承認制度」が適用されたと発表した。同社は、厚生労働省の審査を経て、今年中の承認を目指すという。承認されれば、同療法では世界初となる見込みだ。

 条件付き早期承認制度は、重篤で有効な治療法が少ない病気の治療薬を対象に、薬の販売後、必要な調査などを行うことを条件に承認する制度。調査の結果次第では、承認が取り消される可能性がある。

 新薬は、再発した頭頸部(けいぶ)がんの患者に使う「ASP―1929」。注射された新薬は、がん細胞と結合し、そこに近赤外光を当てることでがん細胞が破壊されるという。2015年から米国で治験が始まり、現在は、日本を含む各国で最終段階の「第3相」の試験が進む。

 同社は今年3月、日本の厚労省に、新薬と近赤外光のレーザー照射システムについて製造販売の承認を申請。厚労省から5月29日付で、条件付き早期承認制度適用の通知を受けたという。この療法を世界に先駆けて日本で承認するために、厚労省はすでに、審査期間を短期化する「先駆け審査指定制度」にも指定している。厚労省は6カ月間をめどに審査をし、承認の可否を判断する。(松浦祐子)