気象庁は23日、向こう3カ月(5〜7月)の長期予報について、全国的に平均気温が平年より高くなる見込みと発表した。ゴールデンウィークも最高気温が25度以上の夏日が続出する可能性があり、同庁は「まだ体が暑さに慣れていない時期なので、本格的な暑さとなる前から十分な熱中症対策を」と呼びかけている。

 同庁によると、赤道付近の海面水温が高くなるエルニーニョ現象が終息に向かいつつあり、高温傾向がより高緯度へと及んでいることなどが影響しているという。高温となる条件が重なれば観測史上最も暑くなった昨夏並みかそれ以上になる可能性もあるという。

 4月末から始まる大型連休では、前半の27〜29日は東日本や西日本でたびたび雨が降りやすくなるものの気温は全国的に高く、特に28日は晴れ間が出て夏日となる地点が多い見込み。連休後半の5月3〜6日は、北日本や東日本を中心に晴れの日が多くなりそうだという。

 大雨災害が増える出水期(6〜10月)を控え、雨にも注意が必要だ。梅雨前線が活発となり、西日本と沖縄・奄美で降水量が平年並みか多い見込みだ。事前に自治体のハザードマップを確認してほしいという。

■「熱中症特別警戒アラート」24日から導入

 危険な暑さが予想される際に備え、環境省と気象庁は「熱中症特別警戒アラート」の運用を24日から始める。現行の「警戒アラート」の上位に加える形で、気温や日差しから算出した「暑さ指数」が都道府県内全域で35以上と予測される際に発表する。

 過去にさかのぼって特別警戒アラートに該当する例はないが、異常気象情報センターの田中昌太郎所長は「発表されなくても危険な暑さとなる可能性はあり、日々の予報に注意してほしい」としている。(大山稜)