公明党の山口那津男代表は16日の記者会見で、憲法改正をめぐって安倍晋三首相が「私自身の手で成し遂げたい」と繰り返し主張していることへの対応を問われ、「安倍総理大臣として憲法を決定する権限はない。『総理大臣として』との言い方は誤解を招くので考えてもらいたい」と反発し、記者の質問に気色ばむ一幕があった。

 首相は、年頭の記者会見やテレビ出演で、任期中の憲法改正実現を主張している。憲法9条に自衛隊を明記する自民党の改憲論に慎重姿勢を示してきた山口氏だけに、首相の前のめりな姿勢にいらだちを募らせているとみられる。

 山口氏は「(自民党の)安倍総裁が憲法改正に意欲を示していることは承知している」と説明した。記者団が「総理は『私自身の手で憲法改正を成し遂げたい』と発言している。総理大臣としてめざしているとの意欲に聞こえる」と再質問すると、山口氏は「そういう風に聞こえるはずはない」と反論。語気を強めて「憲法のどこに、総理大臣が発議したり、採決したりということが書いてあるのか。発議権は国会にしかない」と主張し、憲法上行政府の長である首相には、憲法改正の権限がないことを改めて強調した。

 その一方で「総裁の立場で意欲を示すことは否定すべきことではない」と述べ、憲法改正については「政治的な課題の優先度は各メディアの調査でも必ずしも高い方ではない」として、首相にクギを刺すことも忘れなかった。(大久保貴裕)