群馬県草津町の黒岩信忠町長からセクハラ被害を受けたと訴えていた新井祥子氏(50)が、議会の品位を傷つける発言をしたとして懲罰動議を受けて失職した問題で、群馬県は除名処分の執行を一時停止する通知を出した。通知は7日付で町議会議長と新井氏宛て。新井氏が行政不服審査法に基づいて12月10日、除名処分の執行停止を申し立てたのを受けた措置で、新井氏は当面、町議会の議席を回復することになった。

 新井氏が12月9日に申し立てた処分取り消しについては、処分の妥当性を審議する自治紛争処理委員の審決が5月にも出る見通し。執行を一時停止しないままでは、新井氏に投票した有権者の町政参加の権利が侵害されると県市町村課が判断した。

 新井氏は「除名処分の停止の申し立てが認められ、ほっとした。町民や女性の権利を守るための活動を続けていく」と話した。一方、除名処分を決めた町議会の黒岩卓議長は「法律に沿った手続きなので、粛々と受け止めたい。1議員として通常通りに対応していく」と語った。

 新井氏は昨年11月に電子書籍などで町長からセクハラ被害をうけたと告発。町議会12月定例会での町長の不信任決議案を巡る質疑などでの新井氏の発言が「破廉恥で、議会の品位を傷つけた」として懲罰動議が提出され、賛成多数で可決。新井氏は最も重い除名処分を受け、失職していた。(泉野尚彦)