東洋大学は24日、板倉キャンパス(群馬県板倉町泉野1丁目)にある学部などを2024年4月に東京都内や埼玉県内の別のキャンパスへ移転させると発表した。学生ら約2千人が在籍する板倉キャンパスは、県企業局などが開発した「板倉ニュータウン」にある。誘致時に支援金を拠出するなどの支援をしてきた県は強く反発。山本一太知事はコメントを出し、「地元に対する配慮が感じられなかった」と不快感を示した。

 東洋大によると、板倉キャンパスは1997年4月に開設。現在は生命科学と食環境科学の2学部のほか、大学院の生命科学研究科と食環境科学研究科がある。19年5月現在で1900人近くの学生が在籍。教職員も80人以上いる。これらの組織は朝霞(埼玉県朝霞市)、赤羽台(東京都北区)の両キャンパスに移す。

 移転について東洋大広報課は、板倉と川越(埼玉県川越市)に分散している生命分野に関する学部・学科の統合などが目的、と説明。板倉の土地や建物をどうするかは今後検討していくという。

 キャンパスがある板倉ニュータウンは、渡良瀬遊水地近くの218ヘクタールを県企業局が中心になって開発。宅地や産業用地を整備し、33ヘクタールある東洋大のキャンパスはニュータウンの中核と位置づけられていた。誘致にあたり県と板倉町はそれぞれ10億円、県企業局が約24億円を支援した。

 山本知事はコメントの中で「多額の支援を行い、その後も産学官連携による共同研究を実施するなど、これまで地元として多くの協力をしてきた」とした上で、「東京一極集中の是正や地方創生を進めようとする国の大きな方針にも逆行する」と非難。さらに今後の協議については「地域の厳しい声を受け止めて、(大学側に)最大限の対応を行っていただく」としている。(寺沢尚晃)