震災の犠牲者を追悼する復興祈念公園を建設中の宮城県気仙沼市は6月30日、園内の銘板に犠牲者の名前を刻むための同意書が遺族に届かず、宛先不明で多数戻ってきている、と明らかにした。犠牲者の5分の1に当たり、追跡に苦慮しているという。

 この日の記者会見で、菅原茂市長が公表した。市は2021年2月の開園を目指して気仙沼湾最奥の「陣山」に祈念公園を造成中で、園内には犠牲者の銘板を置く。対象となる1363人分の遺族に同意書を郵送したところ、265人分が宛先不明で返送され、電話でも連絡が取れない状況だという。遺族が亡くなっていたり、犠牲者に元々引き取り手がいなかったりすることが原因、と市の担当者はみている。

 今のところ同意がとれているのは1060人分で、不同意なのは38人分。市は9月をめどに銘板を設置する予定だ。ただ、「追加で名前を入れることは可能」としていて、連絡が取れない遺族に対して、名乗り出るよう呼びかけている。

 菅原市長は「震災から10年という歳月ゆえか、残念だ。なるべく多くの方の名前が刻めるよう努力したい」と語った。(星乃勇介)