ベンチ入り応援してくれた仲間へ 三塁コーチ感謝の手紙

ベンチ入り応援してくれた仲間へ 三塁コーチ感謝の手紙

 甲子園新潟代表・日本文理の三塁コーチ、吉川龍君(3年)は試合にはほとんど出ないが、チームを支える大きな戦力になっている。ベンチ入りした選手とほかの部員らをつなぎ、チーム全体の心を一つにしてきた。

 吉川君の役割は幅広い。外野へのノック、相手チームの分析、ミーティングでのまとめ役など。「三塁コーチは副業ですね」と冗談交じりに話す。

 新潟大会では一度も試合に出ていない。昨秋の県大会からベンチ入りしているが、公式戦では代走で一度出ただけ。野球の能力以上に、チームを支える部分を買われた。

 野球がうまくてベンチ入りしたわけではないのか、と悩んだこともあった。だが、そのたびにみんなから「龍が必要だ」と言われた。試合に出ない部員も、ベンチ入りをむしろ「当然」と思っている。

 そんな部員たちに感謝の思いを伝えたくて、新潟大会の決勝前、ベンチ入りしなかった3年生38人にそれぞれ手紙を書いた。「内緒にしたかったので、寮でみんなが寝てから書きました」

 部員全体にあてた手紙も書いた。「まず最初に、皆に言いたい事がある。俺に出会ってくれてありがとう」。ベンチ入りを応援してくれたことへの感謝をつづった。手紙を読んだ応援副団長の鈴木裕介君(3年)は「決勝前なのに泣いてしまった」。応援はいつも以上に力が入った。

 甲子園初戦の直前、応援団に「最高の応援を頼む」と書いた手紙を渡した。三塁コーチスボックスで一塁アルプススタンドの応援を正面から受けた。「日本文理の応援は楽器とかに負けないぐらい声が大きい。やっぱり力になる」と感じた。三塁側からの応援を背に吉川君は次戦の仙台育英戦に臨む。(川島大樹)

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