女子部員の思い継ぎ 成長の1点差

唯一の女子野球部員の思い継いで 軽井沢、成長の1点差

唯一の女子野球部員の思い継いで 軽井沢、成長の1点差

 昨夏、選手が全くいない状態から、たった1人の女子マネジャー・小宮山佑茉(ゆま)さんの入部の呼びかけで高校野球長野大会に出場した軽井沢が12日、今夏の初戦に臨み、1―2で伊那北に惜敗した。スタンドに小宮山さんの姿はなかったが、選手たちは昨夏の2―14での五回コールド負けからの成長を見せた。

 昨年に入部した8人のうち4人が残り、今年は1年生7人が入部。11人で臨んだ大会だった。

 小宮山さんは看護師を目指して専門学校に進学しており、この日は応援に来られなかった。選手たちには、保護者を通じてお守りを渡した。フェルト地のグラブに背番号が縫い付け、全員分を用意した。小宮山さんは試合後、「私は引退しているので余計なことかと思いましたが、マネジャーがいないということで、夏にお守りがないのは寂しいかなあと思いまして」と思いを語った。

 背番号「1」をつけて力投した宮久保和(かの)(1年)は「昨年、軽井沢高校野球部をテレビで見て、先輩や佑茉さんの思いを知って入部を決めました」と言う。五回1死満塁のピンチを無失点で切り抜けるなど8回を投げて2失点。7奪三振での完投だった。

 主将の倉沢司(2年)は「今年5月の新チーム結成から練習試合を含めて1点差は初めて。得点できなかったり、2桁失点したりしていたが良い経験ができた」と笑顔を見せた。中堅手の内藤淳次郎(2年)は「佑茉さんはがんばる理由をくれた人です。僕もああいう人になりたい」と目を輝かせた。

 小宮山さんは授業の合間に、「バーチャル高校野球」のネット中継で試合の様子を見ていたという。「一回裏の守りで、先頭打者の難しい二遊間の打球を山崎くんがアウトにして成長を感じた。そこから守備の流れができたと思います」と声を弾ませた。

 軽井沢は連合チームでの出場を含め、2005年夏以来、勝利していない。「今の2年生は1年生からやってきたことを自信にして、ぜひ『夏1勝』の夢をかなえてほしい」。小宮山さんがまいた種は、しっかりと芽吹き、力強く根を張りだしている。(坂名信行)


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