国際オリンピック委員会(IOC)は22日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、東京オリンピック(五輪)の延期を含めた検討を始めると明らかにした。大会組織委員会や東京都、日本政府などと協議したうえで、4週間以内に結論を出す方針という。一方で、五輪中止は「誰の助けにもならない」として、議題にしていないとした。

 IOCは声明で、日本で状況の改善がみられるとして、「一定の安全策を取ったうえで、五輪を開催することができるという自信につながる可能性がある」と言及。一方で、「複数の国で感染者数の劇的な増加と新たな発症が起きている」として、「今後の検討について、次のステップに進む必要があるという結論に至った」と述べた。

 延期する場合の開催時期について、IOCは具体的な言及はしていない。また、延期する場合の課題としては▽重要な会場が使えなくなる可能性がある▽多くの宿泊施設が既に予約されている▽最低でも33競技の国際的な日程(カレンダー)の調整――などを挙げた。

 東京五輪の開催を巡っては、IOCのバッハ会長が今月19日、米紙のインタビューで「異なるシナリオを複数検討している」と述べていた。その後、スポーツ界に強い影響力を持つ米国の陸上連盟や水泳連盟が延期を要望。ノルウェーやブラジルなどの各国オリンピック委員会などからも延期を望む声が続出していた。

 夏季大会は過去に、1916年ベルリン大会、40年東京大会、44年ロンドン大会がいずれも戦争を理由に中止になった。感染症での中止は例がない。延期された場合、五輪史上初めてのことになる。(ロンドン=遠田寛生)