ロシア記者、謎の死 シリア関与の民間軍事会社を取材

 欧州安保協力機構(OSCE、本部ウィーン)の「メディアの自由に関する代表」は16日、ロシアの捜査当局に同国の通信社記者の死亡原因について徹底捜査を求める声明を出した。記者はシリア内戦に加わった民間軍事会社のロシア人戦闘員について記事を書いたが、集合住宅5階の自宅から転落して死亡。「近くに不審者がいる」と話していたとの情報もある。

 死亡したのは、ロシア・ウラル地方の中心都市エカテリンブルクで通信社に勤務するマクシム・ボロジン記者。12日にアパート5階にある自宅から転落して意識不明になり、15日に入院先の病院で死亡した。

 報道によると、ボロジン記者は2月にシリア北部で米軍がアサド政権軍側を空爆した際に死亡した民間軍事会社「ワグネル」所属のロシア人戦闘員について取材していたという。ロシア政府は同社との関係を否定したが、この空爆でロシアの民間人が政権側で戦闘に加わっている実態が浮かび上がった。

 ロシアの民間ラジオ「モスクワのこだま」は、転落の前日早朝にボロジン記者から電話で「外の階段に覆面をして武器を持った迷彩服の男たちがいる」と知らされたという知人の話を伝えた。ボロジン記者はしばらくして再び電話で「何かの訓練だったようだ」と伝えてきたという。

 インタファクス通信によると、地元捜査当局は「犯罪の兆候はない」としている。(モスクワ=喜田尚)

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