インドのモディ首相が率いる国政与党が、最近の地方選挙で負け続けている。イスラム教徒との対立をあおることで多数派ヒンドゥー教徒の結束を訴えるのがモディ氏の「得意技」だが、より暮らしに密着した地方選では、電気代や医療費の無料化を訴える庶民目線の敵陣営相手に巻き返せず、苦戦をしいられた。

 8日にあったデリー首都圏の議会選(70議席)。モディ氏のインド人民党(BJP)は8議席にとどまり、大敗を喫した。62議席を取って大勝したのは、地方政党の庶民党だった。

 昨年4〜5月の総選挙では、BJPがデリー選挙区の全7議席を独占していた。隣国パキスタンに空爆をしたり、挑発的な対応をとったりして、国内で根強い反パキスタン感情をくすぐり、支持を広げたのだ。

 そのため今回のデリー議会選でも、人気の高いモディ氏が前面に。モディ政権は、イスラム教徒が多く暮らすジャム・カシミール州(当時)に与えてきた自治権を撤廃するなど、ヒンドゥー教をより重視した政策や成果を訴えて、ヒンドゥー票固めを図った。

 しかし、支持は広がらなかった。モディ氏が初就任した14年よりも前の水準まで経済成長率は落ち込み、失業率も過去最悪の水準にあるとされる。昨年12月にはイスラム教徒以外の不法移民に国籍を与える改正国籍法を国会で成立させたことで、各地でモディ政権への抗議運動が起きていたことも影響したとみられている。