新型コロナウイルスによる肺炎が広がるなか、中国の王毅(ワンイー)国務委員兼外相が15日、ドイツのミュンヘンで新型肺炎に対する中国政府の姿勢について講演をした。中国が「最大限厳格な抑制対策をとっている」として、社会や経済への影響は一時的なものだと訴えた。中国政府の閣僚級が国際的な場で新型肺炎について語るのは初めてとなる。

 「ミュンヘン安全保障会議」で講演した王氏は、中国本土以外での感染は全体の1%に満たないとして、「我々は世界への拡散を効果的に防いでいる」と強調。各国からの支援に謝意を示した上で、「局地的な問題と世界的な問題が互いに転化する時代、いかなる国も独善的であることはできない」と国際協調の必要性も訴えた。

 一方、王氏は講演に先立つロイター通信の14日の取材では「一部の国が過剰に反応している」と批判した。人的往来を停止することが「各国がともに新型肺炎に対応していく上で有益かどうか疑問だ」と述べ、「正常な交流と協力が必要」と訴えた。中国滞在歴のある外国人の入国を制限している米国などが念頭にあるとみられる。(ミュンヘン=野島淳、北京=高田正幸)