世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は20日の記者会見で、新型コロナウイルスへの感染について若者たちに向けて「君たちは無敵ではない」と注意を喚起した。最も影響を受けるのは高齢者や基礎疾患がある人で、その危険が指摘されてきたが、若者にも入院や死亡例があることを強調した。

 テドロス氏は多くの国の感染者のデータから、入院する人には50歳未満も一定の割合でいると指摘。若者たちに「このウイルスで何週間も入院し、死ぬことさえあり得る」と伝えた。「症状が出なくても、あなたがどこに行くかといった選択が、だれかの命に関わることもある」と述べ、知らぬうちに感染を広げる危険にも触れた。

 中国での調査結果が出た2月末の時点では、80歳超で5人に1人という高齢者の致死率の高さが注目された。世界に広がった今、若者の重症化も目立つため注意を喚起したとみられる。

 致死率と年齢層をめぐり、WHOは記者会見などで韓国のデータに触れ、注目してきた。同じ場所で集団感染したグループの年齢構成に比較的若年層が多かったことや、韓国の死亡者の20%近くが60歳未満であることを踏まえ、状況によっては若者層にも危険があると判断したとみられる。(ジュネーブ=吉武祐)