MotoGP:12年ぶり優勝に18年ぶり予選ワン・ツー。小排気量クラスで頭角を表し始める若手日本人ライダーたち

MotoGP:12年ぶり優勝に18年ぶり予選ワン・ツー。小排気量クラスで頭角を表し始める若手日本人ライダーたち

 前半戦の折り返しとなる第9戦ドイツGPのMoto3クラス予選では、佐々木歩夢(Petronas Sprinta Racing)がグランプリ初ポールポジションを獲得。鳥羽海渡(Honda Team Asia)が2番手に続き、Moto3クラスとなってからは初めて日本人ライダーが予選ワン・ツーを獲得する活躍を見せた。

 小排気量クラスでの日本人ライダーの予選ワン・ツーは、2001年の南アフリカGPの125ccクラスで宇井陽一がポールポジション、上田昇が予選2番手を獲得して以来となる。

 1990年代から2000年代の序盤にかけて、世界グランプリの小排気量クラスでは日本人ライダーが大活躍を収めた。1994年と1998年には坂田和人が、1995年と1996年には青木治親が世界チャンピオンを獲得。日本人ライダーがポールポジションを獲得し、表彰台に登壇、優勝するというのが当たり前という時代があった。

 1997年の125ccチャンピオン、バレンティーノ・ロッシも、そうした日本人ライダーたちとの競り合いから学び、速さを身に付けた。

 日本人ライダー活躍の背景となったのが、当時の全日本ロードレース選手権125ccクラスのレベルが世界的に高かったこと。1991年の日本GPではワイルドカード参戦の上田がデビューウインを飾るなど、マシンやタイヤなどのハード面も全日本は世界をリードしていた。当時は全日本で開発したハードをそのまま世界グランプリに持ち込めたことも大きな武器だった。

 しかし、2000年代に入って、小排気量クラスに参戦年令の上限制限が導入され、若手ライダーのためのクラスという位置づけになると、日本人ライダーの参戦自体が少なくなる。全日本のマシンレギュレーションがレースコストの削減をめざして世界グランプリとかい離し、マシンのレベルが下がったことも、日本GPでの日本人ワイルドカードライダーの活躍を厳しくした。

 代わって台頭したのがスペイン人ライダーで、これは1990年代後半から未来のスペイン人ライダーを育成するためのプロジェクトがスタートしたことがそのひとつの理由だ。

■アジアの育成シリーズからステップアップした若手日本人ライダー
 スペインでは、テレフォニカ・モビスターカップと呼ばれるライダー育成レースが開催され、マシンは当時のホンダ市販レーサーRS125Rのワンメイクで、ライダーの腕の差が勝負を分けるレースとして争われた。

 このシリーズ出身の筆頭格がダニ・ペドロサで、ライダー育成のディレクターがアルベルト・プーチ(元世界GP500ccライダーで現在はレプソル・ホンダ・チームのチームマネージャーも務める)だった。

 その後、スペインでのライダー育成はワンメイクという形ではなくなったものの、スペイン選手権(CEV)に受け継がれ、現在でもCEVは世界グランプリをめざす世界中の若手ライダーたちの登竜門となっている。

 一方、日本を含めたアジア地区では2014年からアジア・タレントカップ(現在は日本のイデミツがシリーズスポンサーとなり、イデミツ・アジア・タレントカップとして開催)というライダー育成シリーズが開催されるようになった。このシリーズはホンダの市販レーサー、NSF250Rのワンメイクで、ディレクターをプーチが務める。つまり、2000年代初頭にかけてスペインで実施されたライダー育成シリーズの現代版である。

 鳥羽はその初代チャンピオンで、佐々木は2代目チャンピオン。真崎一輝(BOE Skull Rider Mugen Race)、小椋藍(Honda Team Asia)もアジア・タレントカップ出身で、アジア・タレントカップで才能を認められた彼らは、その後、CEVを中心に開催されるMoto3ジュニア世界選手権、レッドブルMotoGPルーキーズカップでヨーロッパのグランプリ開催コースでのレース経験を積み、世界グランプリMoto3クラスのシートをつかんだ。佐々木と真崎はレッドブルMotoGPルーキーズカップでチャンピオンを獲得している。

 2019年シーズンは鳥羽が開幕戦カタールでグランプリ初優勝を達成、佐々木がドイツGPで初ポールポジションを獲得するなど、再び日本人ライダーが活躍を収め始めた。スペインGPでグランプリ初表彰台に立った鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)は、アジア・タレントカップ出身ライダーよりも、一世代上のライダーだが、自らMoto3ジュニア世界選手権に参戦し、世界グランプリのシートをつかんだ。

 現在のMoto3クラスは、以前に日本人ライダーが活躍していた時代の小排気量クラスとは状況は異なり、マシンのパフォーマンス差も少なく、ワンメイクタイヤで、毎レース20台を超える集団のトップ争いが繰り広げられている。レースではトップから1〜2秒差内に入賞圏内最後尾の15位のライダーまでがひしめきあってゴールすることも珍しくない接戦で、それが年間19戦という長いシーズンで争われる。

 2019年シーズン、Moto3クラスに参戦する日本人ライダーはいずれも優勝できる実力の持ち主。シーズン後半戦もセンターポールに日の丸が上がるかに注目だ。


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