シャルル・ルクレールは、2019年にフェラーリのホームレースであるF1イタリアGPでの優勝を経験した時に、フェラーリのドライバーになるとはどういうことなのかを本当に理解したと語った。

 2019年、ルクレールは第2戦バーレーンではトラブルのためグランプリ初勝利を逃したものの、第13戦ベルギーGPでついに表彰台の最上段にまで上り詰めた。

 その1週間後にフェラーリの地元モンツァでキャリア2勝目を挙げた際には、感動と達成感とが入り混じった特別な気持ちになったと、ルクレールは言う。

 フェラーリの歴史に新たな節目を刻んだモンツァの勝利によってチームへの帰属意識が強まったかと尋ねられたルクレールは、そのとおりだが存命のレジェンドたちにはまだ遠く及ばないと感じると答えた。

「間違いなく意識は強まった。少なくともファンがそう思わせてくれたし、そう思えるのは素晴らしいことだ」とルクレールは、1月上旬にイギリスのバーミンガムで開催されたオートスポーツ・インターナショナルショーで語った。

「でも、マリオ・アンドレッティなどレジェンドたちの横に並ぶ機会があるたびに、自分はまだそこに立てる存在ではないと感じる。コースに出てしっかり仕事をすること、自分の実力を発揮することが、今の僕には求められている」

■「モンツァでチームはとても大きなプレッシャーにさらされていた」とルクレール

 高速サーキットのモンツァで、計り知れないほどのプレッシャーを背負いながらも、ルクレールはルイス・ハミルトンとの激しいバトルや、一触即発の競り合いを制して勝利を飾った。

「あのレースを走っている時の気持ちをどう表現すればいいのか、本当に言葉が見つからない」とルクレールは振り返った。

「ものすごいプレッシャーを感じていた。チームのみんなもまったく同じだ。イタリアでのレースだったからね。フェラーリはイタリアではとても大きな存在なんだ。誰もが僕たちの勝利を望んでいたから、チーム全体に大きなプレッシャーがかかっていた」

「あのグランプリのウイークエンドは月曜から始まっていたようなものだった。他のグランプリではドライバーは木曜日から動き始めるから、いつもとは大分異なるスケジュールだ。月曜日のミラノから始まっていたのだから」

「プレッシャーはどんどん大きくなっていった。それまでにもポールポジションの経験はあったけれど、それでも決勝レースに集中しなければいけなかったし、レース中は息もできない感じだったよ」

「レースを通してずっとルイスが僕から2秒差以内(後方)にいて、そのプレッシャーはとても大きかった。最終的に勝てて、表彰台に上り、最上段から赤い集団を見た時には、本当に特別な気持ちになった」

 フェラーリの一員として戦うことの意義はすでによく認識していたであろうルクレールだが、モンツァでの感動的な勝利は、それを別の次元へと押し上げたに違いない。

「あのときはゾクゾクしたし、これがフェラーリのドライバーであるということかという実感がわいた。もちろん、以前から少しは分かっているつもりだったけれど、モンツァで勝って、周囲の熱狂ぶりを感じて、本当の意味で理解できたのだと思う」

「人々の眼差しから、フェラーリというブランドに対する熱い思いが伝わってくる。それを見ると信じられないような気持ちになるんだ」