3月12〜14日に行われた2020年のWRC世界ラリー選手権第3戦メキシコで3台中2台にマシントラブルがあったヒュンダイ・モータースポーツのアンドレア・アダモ代表は「世界選手権を戦うプロフェッショナルチームとして、あってはならないものだった」とコメントした。

 2020年は昨シーズン手にしたマニュファクチャラーズタイトルに加え、ドライバーズタイトル、コドライバーズタイトルも合わせた三冠獲得を目指しているヒュンダイは、今シーズンもラウンドごとに起用ドライバーを入れ替える作戦を採っている。

 シーズン初のグラベル(未舗装路)イベントだったラリー・メキシコには、レギュラードライバーのティエリー・ヌービルとオット・タナク、グラベルイベントを得意とするダニ・ソルドの3名にヒュンダイi20クーペWRCを託した。

 しかし、このうちソルドは本格的な走行初日となった13日(金)最初のステージでラジエーターパイプが緩むアクシデントに見舞われ、5分以上のタイムをロス。結局、このパイプ緩みに端を発するオーバーヒートにより、13日のステージを完走できずにリタイアを余儀なくされ、ダメージが大きかったことから翌日の走行に復帰することも叶わなかった。

 またヌービルは総合3番手走行中だったSS9で電気系トラブルが起きてしまいデイリタイア。翌日の競技には復帰し、最終的には大会で行われた全20SS中8SSで最速タイムを刻んでみせたが、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で会期が短縮されたこともあり順位の挽回は叶わず。ポイント圏外の総合16位でフィニッシュした。

 残るタナクのi20クーペWRCにはメカニカルトラブルこそなかったものの、SS4で「自らのミス」と語るクラッシュを起こし、マシンリヤを破損。応急処置を施してステージを走りきったが総合8番手までポジションを落としてしまった。

 その後はサービスでメカニックによるマシン修理を受けたこともありペースを上げ、最終的には総合2位表彰台を獲得。しかし、優勝したセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)には27.8秒という大きなギャップをつけられている。

 チームのアダモ代表は「あらゆる観点から、今回のラリーがトリッキーかつ複雑なものだったことは否定できない。我々はさらに上のポジションでフィニッシュするべきだった」と悔しさをにじませた。

「また以前から言葉にしていたマシンパフォーマンス改善を確認するという作業も行えなかった。今後を戦っていく上で今のパフォーマンスで十分なのかどうか、確信がもてない」

「ミスを事細かに分析し、今後はそういったミスを確実に避けなければならない。そして毎戦ポイントを積み重ねられるよう、着実に一歩を踏み出す必要がある」

「ただシーズンはまだ始まったばかりだ。金曜日のアクシデントがなければ、オット(タナク)はもっと僅差で優勝を争うことができただろう。いずれにしても、彼は総合2位に入ることができた。これはチームにとっても貴重な結果だ」

「ティエリー(ヌービル)についても同じことが言える。素晴らしい週末になっていたが、残念ながら我々のミスのせいで、彼にはふさわしくない、実力が反映されていない結果に終わってしまった」

「今回、我々は勝利を掴むべくラリー・メキシコに乗り込んできた。ただ、そんななかで(ソルドとヌービルに)起きたトラブルは世界選手権を戦うプロフェッショナルチームとして、あってはならないものだった」

 2020年のラリー・メキシコでヒュンダイ勢がトラブルに苦しんだ一方、ドライバーズタイトル、マニュファクチャラーズタイトルを争っているTOYOTA GAZOO Racing WRT勢は3台とも大きなトラブルなくラリーを完走。オジエが優勝したこともあり、得点差も大きくなっている。

 ドライバーズランキングでは首位オジエの62ポイントに対し、ヌービルは42ポイントでランキング3位。マニュファクチャラーズランキングでは首位トヨタの110ポイントに対し、ヒュンダイは89ポイントのランキング2位だ。