オーストラリアの人気ツーリングカー・シリーズ、VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの運営団体は、世界的なパンデミックが進行中の新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大対応策として、第3戦以降の3ラウンドを延期することを決定。本格的開幕を6月以降と定めたほか、世界のカテゴリー同様バーチャル空間でのeスポーツイベント『Supercars All Stars Eseries』の立ち上げを発表した。

 F1開幕戦のオーストラリアGPとの併催が予定されていた第2戦メルボルン400が、急遽当該週末のキャンセルとなったことで、その後のカレンダーへの影響が懸念されていたVASCシリーズだが、オーガナイザーは地元の競技統括団体であるモータースポーツ・オーストラリアと協議の上、第3戦タスマニア・スーパー400、第4戦オークランド・スーパー400、第5戦パース・スーパーナイトを年末まで延期することに決め、シーズンは6月からの再開を目指すという。

「スーパーカーの最優先事項は、日程や季節に関係なくファンとパートナーに全14ラウンドのチャンピオンシップを届けることだ」と語るのは、シリーズのCEOであるショーン・シーマー。

「とくにシリーズ最大の祭典である『バサースト1000』は予定どおりのスケジュールで進行させる。我々はそれをどのように実現させるかに関して協議を続けており、今後数週間のうちにすべてのステークホルダーの意見を聞き、これを確定させるつもりだ」

「それさえ実現できれば、ファンにもすぐに状況をお知らせできるだろう。それまでの間、我々の持つeスポーツのプラットフォームを活用して、皆さんにユニークなレース体験をお届けできるだろう」

 シーマーCEOがそう語ったeスポーツの試みは、3月23日にアナウンスされた『Supercars All Stars Eseries』と銘打ったイベントで、開幕戦を4月8日に開催すると発表。2020年のシリーズに参戦するすべてのドライバーがiRacingをベースとしたバーチャル・プラットフォーム上で、約10週にわたり仮想レースを繰り広げる。


 このバトルの模様はソーシャルメディアのTwitchやオフィシャルメディアのFox Sports/Kayoなどで配信され、オーストラリア国外では数カ国でのTVで放映が予定されている。

「そう、こちらも近日中には放送局をさらに発表する予定となっていて、スーパーカーのファンがサーキットで現地観戦できない期間中も楽しめるように設計された。自宅から観戦するファンは、レース中にドライバーの声を聞くことができ、ブロードキャスト用にいくつかのウェブカメラもセットアップされる」とシーマーCEO。

「シリーズ全体で現実に採用する多くのレース形態を取り入れ、基本となる2ヒート形式に加えてエンデューロ、ミステリーラウンド、ナイトレース、リバースグリッドなど、あらゆる形式を実験的に採用するつもりだ」

「現時点ではeシリーズの全ラウンドの開催サーキットリストを構築している段階だが、開幕戦は我らがフィリップアイランドと、モンツァでのレースを予定している」

 シリーズで7冠を誇るトリプルエイト・レースエンジアリングのエース、ジェイミー・ウインカップも、このeシリーズでの戦いに向け「僕らはつねに良いショーを提供したいと思っているし、現実のシーズンが保留中でもバトルを見せられるのは、このスポーツとファンにとって良いことだと思う」と意気込みを語った。

「もちろん、僕自身はいつでも自分の味方ではあるけれど、この仮想空間上ではeレーサーや若いドライバーの方が有利になる。だからチームメイトのSVG(シェーン-ヴァン・ギズバーゲン)の方が前にいることになるかもしれないね」と続けたウインカップ。

「彼はすでにピットレーンのライバル数名や、F1ドライバーたちともシムレースを経験しているし、SVGがレッドブル・レーシング・オーストラリア・チーム・ホールデンを代表して表彰台に上がってくれることを期待している」

「僕は長いことシミュレーターをトレーニングの一部としても使っていないから、当面は大きな学習曲線を描くことを狙う。ともあれ、この新たなチャレンジをとても楽しみにしている」