F1イギリスGPの主催者は、新型コロナウイルスの世界的感染拡大の影響により2020年グランプリが中止になった場合でも、ファンが損失を被らないように対策を取ることを確約した。

 レースのチケットは例年完売となっており、2019年の決勝日には記録的な約14万1千人の観客が詰めかけた。昨年のレース週末には前年度よりも1万1千人多い、延べ35万1千人がシルバーストンを訪れ、同年度のカレンダーで最も多くの観客動員数となった。

 しかし現在進行中の新型コロナウイルスのパンデミックにより、今季のイギリスGP開催は不確かな状況だ。伝統のモナコGPを含め、すでに開幕からの8戦が中止または延期となっている。

 F1のCEOチェイス・キャリーが3月23日に語ったところによると、現時点では「夏のどこかの時点で」シーズンをスタートしたいと考えているという。多くのF1関係者は、7月5日のオーストリアGPまではレースは不可能ではないかと考えており、その場合、この混乱に満ちたシーズンにおいてイギリスGPは第2戦となる。

 しかし、主催者はレースが延期となった場合に備えて、緊急事態への対策をしていかなければならない。

 シルバーストンのマネージングディレクターであるスチュアート・プリングルは、『Daily Mail』紙に対し、「我々は、夏までに状況がどうなっていくかを予想することはできない」と述べている。

「シルバーストンの全員が、7月と8月に予定されているF1とMotoGPの開催を確実なものにするべく、できるかぎりのことをしていくことを約束する」

「けれども、もしもいずれかのキャンセルを強いられた場合は、チケット所有者全員に全額返金のオプションがある」

 6月開催予定のフランスGPの主催者もまた、レースがキャンセルとなった場合はチケット所有者に対して全額の返金を行うという、シルバーストンと同様の公約を発表している。

 どちらのレースも今のところ公式には開催予定となっているが、全F1レース主催者が新型コロナウイルスに関する状況の展開を不安気に見守っている。

 現在、イギリスは国中に広がりつつあるウイルスの拡散防止や遅延を目的に、スポーツイベントを含む大規模な集会を中止しており、学校やパブ、クラブ、映画館なども無期限休業となっている。

 モータースポーツ界においてはル・マン24時間が9月まで延期となり、フォーミュラE、インディカー、NASCARはシリーズ休止という状態にある。加えて、ロードレース世界選手権MotoGPも序盤の2戦であるカタールとタイについて、中止または延期という措置を取った。

 サッカーの大会であるユーロ2020も1年間の延期となり、4月を予定していた世界スヌーカー選手権も宙に浮いた状態だ。

 テニス、陸上競技、ボクシング、クリケット、ラグビー、競馬、自転車競技、ゴルフといったスポーツも、開催予定であった大規模な国際イベントを延期している。またパリとロンドンでのマラソンも、近い将来に開催されることはないだろう。

 変更を発表していない大規模スポーツイベントは、この夏に日本で開催される予定の2020年オリンピックのみという状況にある。