2020年のF1世界選手権は現在のところ開幕時期が見通せなくなっているが、F1フランスGPの主催者は、今年のレースが最終的にいつ開催されても対応できるように、準備を進めているようだ。

 フランスGPの決勝レースは6月28日に予定されている。本来は、シーズン全22戦中の10戦目にあたるはずだったが、新型コロナウイルスによるパンデミックの影響を受けて複数のグランプリが中止または延期となっており、フランスGPの予定についても流動的だ。

 6月あたりからシーズン開幕となる見通しだったが、6月の第1週目に予定されていたアゼルバイジャンGPも延期が決定。パンデミックが深刻化するなかで6月中の開催は厳しさを増しており、今のところは7月5日のオーストリアGPからシーズンが始まる可能性が高い。

 現時点で、フランス政府は1000人以上の集会を禁じている。ウイルス感染の拡大を防ぎ、あるいは遅らせるための追加的措置は今後数カ月単位で続く可能性もある。こうした状況を受けて、ル・マン24時間レースについてはすでに6月開催から9月への延期が発表されている。

「誰にも3カ月先の計画が立てられない。人々がF1参戦とは別の懸念を抱えていることは、みんなよく認識している」と、フランスGPのマネージングディレクターであるエリック・ブーリエは述べた。

「F1世界選手権と、ル・マン24時間のように独特なイベントを比較することは不可能だ」

「安全性の確保が絶対的な優先事項であり、我々としては準備作業を一時保留している状態だ。少なくとも、最悪の場合でも(すでにチケットを購入済みの人には)全額払い戻される」

 しかしながらブーリエと主催者は、フランスGPが今年開催されることを前提に、予定されているポール・リカール・サーキットのレイアウト変更を進める予定だ。

『GrandPrix247.com』によると、ブーリエは『Canal+』に対し「パンデミックが問題になる直前の時点で、我々は2020年シーズンに向けて行う変更、そして2021年と2022年に向けた変更について、発表する用意ができていた。このプロジェクトは、我々がFOM、FIA、ポール・リカール・サーキットとともに進めてきたものだ」とコメントしたという。

 最初のコーナーにあたるターン1から4までの部分について、スピードを上げつつ、よりハードなブレーキングポイントを設けて、オーバーテイクのチャンスを増やすといった変更が検討されている。一方、シケインは残される予定で、シーニュとボーセの両コーナーにも変更は加えられない模様だ。

「コースの現状はご存じのとおりだ。しかし、オーバーテイクの機会を増やしつつ、ドライバーのリスクも改善できるようなソリューションを見出した。文字どおりの(より楽しめる)ショーをお見せできることになるはずだ」

 それと同時にブーリエは、新型コロナウイルスの情勢が世界的に見通せない状況のなかで詳細は決まっていないと認め、パンデミックの影響により、仮にスケジュールどおりレースが実施されたとしても、今年計画していた変更の一部は行えないだろうと述べた。

「今は外出制限以外の措置も含めて、人々の日常生活がどうなっていくのか、もう少し様子を見るつもりだ」

「来年になれば行える可能性もあるが、残念ながら今年の限られた期間では無理だろう。それについては2021年に先送りとなる」

 ブーリエとしては、コースを次世代型F1マシンに確実に対応できるものにしたいと考えている。もともと、F1技術規則の大幅な改定が来シーズンから実施されるはずだったが、新型コロナウイルスの影響で大きな混乱が生じており、F1はこれを2022年まで延期することを余儀なくされた。

「新たな規則に従った場合でも、レイアウトの変更は可能だ」