新型コロナウイルスの感染拡大に揺れる国内モータースポーツ界。2020年はGT500クラスへのクラス1車両の導入、年間2戦の海外開催、熾烈さを増すGT300クラスなど数多くのトピックスがあったスーパーGTも、開幕から5戦が延期となってしまった。ただ7月の開幕を前に、ちょっぴり知識をつけておけば、来たる開幕がより楽しく迎えられるはずだ。そこで、不定期連載となるがスーパーGT参戦チームのチーム名とカーナンバーの由来をお届けしよう。第30回目は、GT300クラスに参戦するX Worksだ。

■X Works
マシン:エヴァRT初号機 X Works R8
ドライバー:ショーン・トン/アレックス・アウ
カーナンバー:33
監督:ロン・レイシャート
タイヤ:ヨコハマ

 2019年、インターナショナルチームの2チームめとしてスーパーGT GT300クラスに参戦を開始した香港のチームがX Works。初年度はニッサンGT-RニスモGT3を走らせ、特に予選を中心に速さを披露。シーズンを通じて戦ったショーン・トンは4戦でポイントを獲得し、GT300で十二分に通用する速さをみせ、チーム力の高さを証明した。

 そんなX Worksは、2015年に世界各国のレースで戦ってきたマーチー・リーがドライバー兼オーナーとして生まれたチーム。当初の名は、ヨーロッパで数多くのタイトルを得てきたフェニックス・レーシングの名を冠した『フェニックス・レーシング・アジア』だ。GTアジア等でアウディを走らせ、数多くの勝利を得てきた。

 2018年からはピレリスーパー耐久シリーズにも挑戦を開始し、日本のレースにも慣れ手ごたえを得ると、2019年からのスーパーGT挑戦を決める。ただここでチーム名を変更する。これについて「モータースポーツの世界は、常に進化と変化を続けている。同じように我々にも変化のときが来たんだ。いろいろな要素と、マニュファクチャラーとの契約もあり、世界中で異なるブランドでレースをするとき、またマニュファクチャラーに対する関係においてもさまざまな問題が出てきた」とチーム代表でもあるロン・レイシャート監督は語る。

「それらを解決するためにも、我々は香港をベースにする『X Works』というチームを立ち上げるに至ったんだ」

 こうして新たなプロジェクトとして参戦を開始したX Worksの活躍は先述のとおり。また、エヴァンゲリオンとのコラボレーションのカラーリングにより、高い人気も獲得した。

「まだチーム設立からそんなに時間は経っていないけれど、こんなにも早くファンの方々に名前を知ってもらえるチームになれてハッピーだね!」とレイシャート監督は言う。

 そして2019年から参戦したX Worksのカーナンバーは『33』だ。この数字は、レイシャート監督が「もともと好きな数字だった」という。

「レースにおけるカーナンバーは、だいたいドライバーのリクエストとオーガナイザーとの状況によって決められるけれど、先シーズンからスーパーGTに参戦するチャンスを得るときに、『33』に決めたんだ。昨シーズンは素晴らしい結果になり、続けて今シーズンもこのナンバーを使うことにしたんだよ」

 2020年は、日本人ドライバーのライバルからも注目される存在となったトンと、同じく香港人ドライバーであるアレックス・アウのコンビでふたたびアウディR8 LMSを使って参戦する。

「2019年は、スーパーGTにおいても初めての香港チームとして目覚しい活躍ができ、インターナショナルチームとして新しい歴史を築くことができた。今年は我々自身のレコードを塗り替えていかなければならないね!」とレイシャート監督。

 また、今季の開幕を待ち望むファンに向けてもメッセージをもらったのでご紹介しておこう。

「通常レースでは冬は静かだけど、我々レーシングチームはすでにノンストップでサーキットに万全な体制でクルマを持っていけれるように準備をしている。だから今の状況のように、準備万端な状況でレースができないとなると、かなりフラストレーションが溜まるよ」

「しかし、世界中のこの状況を鑑みると、いたるところでパンデミックが広がり、我々レーシングチームもこれ以上感染が広がらないように協力しなくてはならない。つまりレースを延期または中止することになる。でも、人々の安全は延期や中止ができないからね。だからいまの優先順位ナンバーワンは、人々の安全だ」

「もちろんできるだけ早くサーキットに戻り、レースをできるのがいちばんだけど、いまは各国や自治体の指示に従い、自宅で昨シーズンの素晴らしいレースをオンラインで楽しんでもらえればと思う。またサーキットで皆さんにお会いできるのを楽しみにしているよ! それまでは『Stay safe at home!』で安全に過ごしてほしい」