新型コロナウイルスの影響で開幕できていないNTTインディカー・シリーズがファン向けに開催しているバーチャルレース、インディカーiRacingチャレンジ第6戦『ファースト・レスポンダー175』は5月2日、インディアナポリス・モータースピードウェイを舞台に行われ、スコット・マクラフラン(パーテック・チーム・ペンスキー)がファイナルラップの劇的な展開のなか優勝を飾った。

 ドライビングシミュレーターの『iRacing』を使い、ファンにレースをみせようとインディカーが開催している『インディカーiRacingチャレンジ』もこのレースが最終戦。舞台はインディ500の舞台、インディアナポリス・モータースピードウェイ。『ファースト・レスポンダー175』と題され、インディアナポリス消防署職員の国歌斉唱、ニューヨーク救急隊の『スタート・ユア・エンジン!』のかけ声に続きフォーメーションラップがスタートした。

 1列目を奪ったのは、このiRacingチャレンジで勝利を飾っているマクラフラン、そして現役F1ドライバーのランド・ノリス(アロー・マクラーレン)。2列目にはスコット・スピード(アンドレッティ・オートスポート)、グラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン)が並んだ。インディ500優勝経験者の佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン)は8列目からレースに挑んだ。

 レースはスタート直後から、スピードとノリスの激しいトップ争いが展開されていくが、5周目に上位争いを展開していたアレックス・パロウ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・チームゴウ)が混戦のなかでクラッシュ。フロントウイングを傷め、フルコースコーションとなるが、この間に一度目のピットインを多くのマシンが行う。

 リスタート後もレースは非常に激しいパックレースとなり、トップに浮上したウィル・パワー(ベライゾン・チーム・ペンスキー)、ノリス、ジェームス・デイビソン(BYRD/ペルティ/ヘイワード/ベラルディ)が続く。各車はストラテジーを組みピットストップをこなしていくが、残り18周でデイビソン、スピードらがクラッシュするアクシデントにより、フルコースコーションが入った。

 残り14周でのリスタートでは、レイホール、フェリックス・ローゼンクビスト(NTTデータ・チップ・ガナッシ・レーシング)、シモン・パジェノー(メナード・チーム・ペンスキー)と続き、パジェノーが一気にリード。しかし残り12周で、ふたたび10台以上が絡む多重クラッシュが発生し、3回目のコーションが導入された。

 レースは残り10周でリスタートを迎えるが、ここからさらに激しい展開となる。レイホール、パジェノー、ノリスとの争いのなかで、パジェノーとレイホールはクラッシュ。歴戦のインディカードライバーたちを押しのけノリスが首位に立つ。

 しかしノリスには、オリバー・アスキュー、パトリシオ・オワードとアロー・マクラーレンのチームメイトたちが襲いかかる。トップ3をアロー・マクラーレンが占め、その後方にマクラフラン、マーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が続いた。

 現実のインディ500さながらに手に汗握る終盤のバトルは、残り3周でラップダウンとなっていたパジェノーにノリスがクラッシュするまさかのアクシデントで、まずはノリスが脱落。アスキュー。オワード、エリクソン、サンティーノ・フェルッチ(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・バッサー-サリバン)と変化する。

 迎えたファイナルラップ、アスキューとオワードのドラフティングを使ってエリクソンがリードを奪うが、ターン4でエリクソンとオワードが接触。さらに最後のストレートでアスキューとフェルッチがクラッシュ! マクラフランが勝利を奪うことになった。2位はコナー・デイリー(カーリン)、クラッシュしながらラインを通過したフェルッチが3位、アスキューが4位。オワードは5位となった。琢磨は30位とまたも悔しい結果となった。

「クラッシュをたくさん見た一日だったね」とマクラフラン。

「ビクトリーレーンに入れるとは思わなかったよ。適切なタイミングで適切な場所にいたということだろうね。3位に入れるとは思っていたけど、前のふたりがクラッシュして勝利することができた。すごくクールだね」

 インディカーiRacingチャレンジは、このレースで最終戦。今後現実のレースの再開を待つことになる。