パは東浜でなく西武・菊池。菅野とともに隙ない“3つの要素”。野手は文句なしの桑原&秋山【データで選出7月月間MVP】

パは東浜でなく西武・菊池。菅野とともに隙ない“3つの要素”。野手は文句なしの桑原&秋山【データで選出7月月間MVP】

4分の3程度の打席数でトップレベルだった柳田

 貢献の評価は、(1)セイバーメトリクスの一手法を用いて選手の働きを得点換算し、(2)同じ出場機会を「平均的な成績の選手」が担った場合の働き(得点)を基準(=0)に置き、どれだけ上積みをつくったかという推定値を算出して行った。
 
「平均的な成績に対して大きな差をつくり」、また「その状態で多くの出場機会を重ねていく」ことで増えていく数値なので、質と量、両面での貢献を見ることとなる。
 

 
 野手はパ・リーグが平均から12.4点の上積みをつくった秋山、セ・リーグでは両リーグ最高の19.0点を積み上げた桑原がトップとなり“本家”と一致した。ほかにはパ・リーグでは柳田悠岐(ソフトバンク)、セ・リーグでは菊池涼介、丸佳浩、鈴木誠也の広島勢が健闘を見せていた。
 
 桑原、ウラディミール・バレンティン(ヤクルト)、柳田はそれぞれ打撃で14.6点、14.3点、12.2点と高い貢献を見せた。桑原、柳田は出塁を通じて貢献(出塁率はそれぞれ.439と.507)し、バレンティンは11本塁打を放った長打力で数字を伸ばした。
 
 前述した通り、ここで示している打撃貢献は、質の高い打撃を多くの量(機会)をこなすことで大きくなる。柳田はチームの試合数が少なかったことや自打球による欠場で、他選手に比べると4分の3程度の打席数だったにもかかわらず、トップレベルの数字を残している。打席数が他選手並であったらトップは柳田になっていた可能性もある。

打撃だけでなく守備で失点を防いだ秋山と桑原

 桑原、秋山、丸の中堅手3人は打撃だけでなく、守備でも大きな貢献を果たした。守備での働きを示すUZR(Ultimate Zone Rating)では、同じイニングを守った平均的な中堅手に比べ桑原は6.5点、秋山は4.1点多く失点を防いだと評価された。ポジションは違うが、菊池、中村奨吾(ロッテ)も同じように攻守両面で貢献を見せたようだ。
 
 守備指標UZRは各ポジション内での相対的評価であるため、異なるポジション間を比較する際は、守備位置ごとの補正を行う必要がある。一般的に高い守備力、もしくは独自性のあるスキルを要するポジション(遊撃手や二塁手、捕手など)を守った選手はプラスに補正をかけ、その逆のポジション(一塁手や左翼手など)はマイナスの補正をかけるといった具合だ。
 
 菊池や浅村栄斗(西武)、銀次(楽天)らは高い守備力を必要とする二塁手であるためそれぞれ守備イニングに応じて守備位置補正得点が与えられる。菊池はUZR 3.1に加え、守備位置補正で1.2点を獲得し、守備面で合計4.4点分の貢献があったと考えられる。UZRのみで見た場合よりも、貢献の度合はやや大きかったと評価している。

奪三振、与四球、打球管理の3つの要素で隙のなかった菊池、菅野

 投手の評価には、奪三振、与四死球、被本塁打、ゴロかフライかライナーかといった打たれた打球の種別から算出する推定失点率tRA(true Run Average)、どれだけ多くの量を投げたかの投球回で、質と量の両面から貢献を計る。
 

 
 1位は菊池雄星(西武)と菅野智之(巨人)となった。20%弱が平均となるK%(奪三振割合)、10%弱が平均となるBB%(与四球割合)、50%弱が平均となるゴロ率の3つの要素ですべて平均より優れた数字を残している。ほとんど隙のない投球だったといっていいだろう。特に菊池のK%(36.6%)は圧巻である。多和田真三郎(西武)も3つの要素で優れた数字を残しバランスのいい貢献を見せた。両者は力強く追い上げを図っている西武のエンジンを担っている。
 
 セ・リーグ3位のマイルズ・マイコラス(巨人)も3つの要素で菊池や菅野に劣らぬ数字を残したが、2被本塁打がマイナス要素となった。図内のHR/9は被本塁打を9イニングあたりの本数に換算した数字だ。マイコラスと千賀滉大(ソフトバンク)は他投手に比べ被本塁打を多く許してしまった。こうした評価法では被本塁打は投手の責任が非常に大きい考えるため、やや評価を下げる形となった。

救援投手ながらハイレベルな投球を見せたサファテ&ルーキ

 岸孝之(楽天)と野村祐輔(広島)はともに2敗を喫しており、印象は良くなかったかもしれないが、投球内容自体は素晴らしかったようだ。岸はK%が33.3%と奪三振の面で、野村はBB% 3.1%と与四球を少なく抑えることで他投手に差をつけたようだ。
 
 量の面で高い貢献を見せたのがランディ・メッセンジャー(阪神)だ。他の先発投手に比べ登板機会が多かったこともあり、両リーグ最多の33イニングを消化し、量で他投手に差をつけた。また質も優秀で、奪三振の面でK% 25.5%と優れた数字を残している。
 
 救援投手であるため、必然的にイニングを重ねるのが難しくなる中、不利を高い投球の質でカバーしたのがデニス・サファテ(ソフトバンク)とジョシュ・ルーキ(ヤクルト)だ。サファテは14イニング、ルーキに至ってはわずか8 1/3イニングの登板であったが、それをハイレベルな内容で担い、数字を伸ばした。サファテのK%は51.1%。対戦打者の半数以上が奪三振という圧倒的な内容だった。ルーキは41.4%のK%に加え、与四球は0。また、バットに当たったとしても半数以上がゴロと、得点の気配を感じさせない投球だった。

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