レイズが勝利を積み上げられる理由 資金力は無くとも…潜在能力と可能性を見極めるスカウティングは随一

レイズが勝利を積み上げられる理由 資金力は無くとも…潜在能力と可能性を見極めるスカウティングは随一

米公式サイトが特集「レイズは野球の情報時代の最前線にいる」

 メジャーリーグのアメリカン・リーグ東地区で24日(日本時間25日)現在2位につけているタンパベイ・レイズ。資金力は30球団の中でも最も低いクラスであるものの、現在76勝55敗でワイルドカード圏内に位置し、シーズン95勝ペースの好調ぶり。米公式サイト『MLB.com』では、このレイズの好調ぶりを主戦力の選手に言及しながら強さの要因を紹介している。
 
 まず、同サイトではレイズが選手獲得に資金を使わない事を「もう驚かない」と指摘。他球団よりも選手への評価が優れていることを伝え、「選手の“可能性”を見る」とともにスカウティングレポートや新しいアイディアを用いながら強さに繋げていることに球団自身が誇りを持っているとした。
 
 レイズは2005年10月にスチュワート・スターンバーグ氏がフランチャイズ権を引き継ぎ、「スポーツで最も成功していないチームの1つを、最も成功したチームの1つ」に変えた。そして今日、「レイズは野球の情報時代の最前線にいる」と同サイトは言及している。
 
 今季のレイズはア・リーグ最高のチーム防御率(3.53)の投手陣とリーグ15球団中9位の得点数(610)をマーク。なぜここまで高水準の成績を収めることができているのか。同サイトは「過去2シーズンのチーム編成で常に『打球初速』が速い打者と『投球速度』が速い投手に焦点を当ててきた」と紹介。そして、次のように主戦力となっている11選手の貢献ぶりを綴っている。

米公式サイトが挙げたレイズを支える主戦力たち

 (1)〜(3)オースティン・メドウズ外野手、タイラー・グラスノー投手、シェーン・バズ投手
 
 2018年オフ、レイズはエース右腕のクリス・アーチャー投手をトレードで放出。その見返りにピッツバーグ・パイレーツから若手有望の3選手を獲得した。24歳のメドウズは今季108試合に出場し打率.278、23本塁打、67打点、OPS(出塁率+長打率).879をマークし主軸としての十分な活躍を見せている。そして25歳グラスノーは5月に故障をするまで6勝1敗、防御率1.86とエース級の働き。そして現在20歳のバズは傘下マイナーで経験を積みながら『MLB Pipeline』の若手有望株ランクトップ100の94位に位置しており、将来の活躍が期待されている。
 
 (4)トミー・ファム外野手
 
 31歳のファムは2018年にセントルイス・カージナルスとのトレードでレイズに加入。レイズが重視する打球初速が速く、今季は117試合に出場し打率.269、19本塁打、54打点、OPS.825でこちらも上位打線から中軸打線を支える貴重な戦力として活躍している。走力も高いことから、長打や盗塁で得点を稼ぐこともできる。
 
 (5)アビザイル・ガルシア外野手
 
 28歳のガルシアは今季からレイズに1年350万ドル(約3億7000万円)という低コストで加入。過去にデトロイト・タイガース、シカゴ・ホワイトソックスで活躍したが、これまでシーズン最多本塁打は2018年の19本。しかし今季はすでに17本を稼いでおり、.275の打率とともに長打力がさらなる進化を遂げた。
 
 (6)ヤンディ・ディアズ内野手
 
 28歳のディアズもクリーブランド・インディアンスとシアトル・マリナーズとの三角トレードによって今季から加入した。故障によって78試合の出場にとどまっているが、打率.270、14本塁打、38打点をマーク。昨季までのメジャー2年間で1本塁打だった男が、移籍を機に爆発的に躍進した。7月に左足を骨折し負傷者リスト(IL)に入っているものの、復帰後の活躍にも期待がかかる。
 
 (7)チャーリー・モートン投手
 
 モートンは35歳のベテランながら、今やチームのローテーションを支えるエース。27試合に登板して13勝5敗、防御率2.85をマークしてサイ・ヤング賞候補にも数えられている。3年総額4500万ドル(約47億3000万円)という契約で今季から加入したが、高年齢選手に複数年かつ50億円近い契約金を積んだのはレイズにおいては珍しいが、その期待通りの活躍を見せているだけに、球団のスカウティング能力の高さがうかがえる。
 
 (8)ニック・アンダーソン投手
 
 29歳のアンダーソンは今季トレード期限直前でマイアミ・マーリンズから獲得したメジャー1年目の新人投手。今季はマーリンズで45登板、2勝4敗、防御率3.92の成績を残し、レイズはアンダーソンの球のスピン量に着目。獲得後は10試合の登板で2勝0敗、防御率0.00、わずか9回2/3の投球イニングに対して18奪三振と奪三振能力の高さを証明した。
 
 (9)エミリオ・パガーン投手
 
 28歳のパガーンもディアスと同様に2018年12月にマリナーズとオークランド・アスレチックスとの三角トレードで加入した。速球とスライダーの組み立てで今季はここまで52試合に登板し3勝2敗、防御率2.30と安定した成績を残している。特に、xwOBA(打球の速度と角度に対するコンタクトの質を、過去の選手と比較してどれぐらいの確率で単打、二塁打、三塁打、本塁打になっているかを数値化したもの).217はMLB全選手の中でトップの成績だ。
 
 (10)ライアン・ヤーブロー投手
 
 27歳のヤーブローは、2017年にマリナーズとのトレードで獲得。昨季は主に「オープナー」を採用した際の「第2先発」として登板し、16勝6敗、防御率3.91で最優秀新人賞の候補としても名前が挙がった。今季は22試合に登板して11勝3敗、防御率3.29をマーク。1年目に引き続き活躍を見せており、先発も中継ぎもできる器用さもあって今後も重宝される存在になるだろう。
 
 (11)ブレイク・スネル投手
 
 昨季21勝5敗、防御率1.89という驚異的な数字でサイ・ヤング賞を獲得した26歳の左腕は、今季は6勝7敗、防御率4.28と苦しみ左肘の故障を発症したものの、元々2015年のドラフト1位(全体52番目)で、チームのエースとして来季以降もエースとしての役割が期待されている。

フロントと現場の一体感が強さに直結

 レイズは以上のようにトレードやFAによって独自の観点で優れていると判断した選手を積極的に獲得。それらの選手の多くが球団の思惑通りの活躍をしていることで好調を維持している。そして、同サイトは「球団幹部のエリック・ネアンダー氏やチャイム・ブルーム氏は非常に多くのエネルギーと創造性で活動し、他の全てのチームも見本とする“ゴールドスタンダード”の1つとなった」と指摘した。
 
 また、指揮官のケビン・キャッシュ監督も「頭が良い」と評価し、「球団フロントとのバランスが取れている」とフロントと現場の一体感を強さの秘訣として挙げている。
 
 レイズの上には8.0ゲーム差を置いて首位ニューヨーク・ヤンキースがいるが、残り31試合のレギュラーシーズンでどれほど食い下がれるか。そして地区優勝は叶わなくてもワイルドカードでポストシーズン進出となればどこまで勝ち進めることができるのか。潜在能力の高い選手と指揮官、そして球団フロントの力を集結させて、2018年以来のリーグ優勝、そしてその先の頂点を目指していく。


関連記事

ベースボールチャンネルの他の記事もみる

あわせて読む

主要なニュースをもっと見る
社会のニュースをもっと見る
経済のニュースをもっと見る
政治のニュースをもっと見る
国際・科学のニュースをもっと見る
エンタメのニュースをもっと見る
スポーツのニュースをもっと見る
トレンドのニュースをもっと見る
生活術のニュースをもっと見る
地域のニュースをもっと見る

スポーツ アクセスランキング

ランキングの続きを見る

スポーツ 新着ニュース

新着ニュース一覧へ

総合 アクセスランキング

ランキングの続きを見る

東京 新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

東京 コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る 動画一覧を見る

記事検索