“黄金世代”2010年指名選手

 そして来たるは大豊作の2010年。選手層の厚いホークスで、主力選手にまで上り詰めた選手を3人輩出した。創生期の高卒選手台頭の影響か、この年は指名6選手中5人が高校生。そのうちの下位指名3選手が大成しているのだ。
 

今シーズンのプロ野球はDAZNで!いつでもどこでも簡単視聴。1ヶ月無料お試し実施中!

 
 まずその筆頭は、今や野球日本代表「侍ジャパン」でもエース格となった千賀滉大投手。最速161キロの速球と、「お化けフォーク」と評されるほどの落差を誇るウイニングショットを武器に三振の山を築いている。
 
 そんな千賀だが、高校時代は無名の存在。アマチュア球界に詳しいといわれる千賀の地元・愛知県のスポーツ店店主の薦めで、当時のスカウトが指名に踏み切ったという。
 
 千賀は、2年目の2012年に支配下契約を勝ち取り、翌13年には1軍のセットアッパーへと成長。先発に転向した後の2016年には12勝3敗、防御率.2.61の好成績をマーク。以降もコンスタントに成績を残し続け、2017年に最高勝率、昨年は最多奪三振のタイトルに加え、ベストナインとゴールデングラブ賞を獲得している。
 
 また、昨年の9月7日、令和初のノーヒットノーランを甲斐拓也捕手との育成出身バッテリーで達成した。
 
 そんな甲斐も高校時代は無名。当時の高校の監督が、ホークスのスカウトに連絡しテストとして視察。その際に才能を高く評価され、指名に至ったという。今では「甲斐キャノン」と評される強肩で幾度となく盗塁を阻止。ホークスの正捕手にとどまらず、侍ジャパンにも定着した。
 
 甲斐は、3年目の2013年オフに支配下契約。以降は1軍の壁に苦しんだが、2017年に当時の登録名「拓也」から本名の「甲斐拓也」に変更。これを機にブレイクし、正捕手に定着すると、2017年にはベストナインとゴールデングラブ賞の二冠、ゴールデングラブ賞は3年連続で受賞している。昨年は千賀とともにバッテリーで受賞を果たし、打撃でも自身初の規定打席にも到達。打率.260、11本塁打をマークした。
 
 そして3人目の牧原大成内野手は、初球からバットを振っていく積極性を売りに、俊足巧打、内外野をこなすユーティリティー性で、今やチームに欠かせない選手の1人となっている。
 
 千賀と同様、2年目の2012年に支配下契約を勝ち取った牧原。2軍では好成績をマークし続けていたが、ケガや不調で長らく1軍の壁に苦しんでいた。しかし2018年の後半戦で大活躍。59試合出場ながら打率.319をマークした。昨年は自身初の開幕スタメンを勝ち取り、規定打席にはわずかに届かなかったが、114試合出場で打率.242の成績をマークした。

大卒選手が増加した2011年以降


 2011年から2016年までの間に指名され、支配下契約を勝ち取った選手達だ。先ほど紹介した年代と比較すると、大卒の選手が増加し、社会人・独立リーグ出身の選手が減少している。
 
 特に大卒の石川柊太投手は、3年目に支配下登録を勝ち取ると、昨年までに78試合に登板。21勝9敗、防御率.3.42の成績を残している。また、トレードで阪神タイガースに移籍した飯田優也投手も大卒の選手だ。これは、育成出身選手の活躍により、本指名にかからなかった大卒選手が、社会人野球の道だけでなく育成選手からプロを目指すという道を受け入れやすくなったことに起因するとも考えられそうだ。
 
 しかし、育成選手指名全体を見ると、実に6割近くを高卒の選手が占めていた。二保や2010年世代の活躍により、高校生を中心としつつ、次いで、実績は乏しいために本指名しづらい大学生を指名するということを基本線としている傾向が見受けられる。
 
 また、支配下契約を結んだ選手は19人中7人となっていて、支配下の確率は減少している。これは、選手層が厚くなり、競争率が高くなったことが要因だと言えるだろう。
 
(第3回につづく)
 
第1回はこちら

2010年世代プロフィール

千賀滉大(せんが こうだい)
投手
右投左打
187センチ/90キロ
蒲郡高
2010年育成選手ドラフト4位
2012年4月23日 支配下選手登録
◇通算成績
171試合 防御率.2.78 55勝29敗 1セーブ 20ホールド 857奪三振
◇タイトル
最高勝率(2017年) 最多奪三振(2019年) ベストナイン(2019年) 
ゴールデングラブ賞(2019年)
 
牧原大成(まきはら たいせい)
内野手
右投左打
172センチ/74キロ
熊本・城北高
2010年育成選手ドラフト5位
2012年6月11日 支配下選手登録
◇通算成績
289試合 打率.257 209安打 6本塁打 63打点 25盗塁 OPS.608
 
甲斐拓也(かい たくや)
捕手
右投右打
170センチ/84キロ
楊志館高
2010年育成選手ドラフト6位
2013年11月21日 支配下選手登録
◇通算成績
388試合 打率.237 214安打 23本塁打 99打点 15盗塁 OPS.679
◇タイトル
ゴールデングラブ賞(2017年〜2019年)、ベストナイン(2017年)

2011〜2016年選手のプロフィール

釜元豪(かまもと ごう)
外野手
右投左打
180センチ/79キロ
西陵高
2011年育成ドラフト1位
2015年7月31日 支配下選手登録
◇通算成績
95試合 打率.211 38安打 4本塁打 11打点 11盗塁 OPS.560
 
亀澤恭平(かめざわ きょうへい)
右投左打
174センチ/77キロ
作陽高 ― 環太平洋大 ― 四国IL・香川
2011年育成選手ドラフト2位
2014年シーズンオフに中日に支配下選手として入団
◇通算成績
421試合 打率.265 249安打 2本塁打 40打点 25盗塁 OPS.607
 
飯田優也(いいだ ゆうや)
投手
左投左打
187センチ/92キロ
神戸弘陵高 ― 東京農業大生産学部
2012年育成選手ドラフト3位
2014年5月11日 支配下選手登録
◇通算成績
101試合 防御率.3.61 4勝6敗 0セーブ 10ホールド 164奪三振
 
石川柊太(いしかわ しゅうた)
投手
右投右打
185センチ/86キロ
総合工科高 ― 創価大
2013年育成選手ドラフト1位
2016年7月1日 支配下選手登録
◇通算成績
78試合 防御率.3.42 21勝9敗 0セーブ 8ホールド 198奪三振
 
曽根海成(そね かいせい)
内野手
右投左打
175センチ/74キロ
京都国際高
2013年育成選手ドラフト3位
2017年3月24日 支配下選手登録
◇通算成績
77試合 打率.217 10安打 0本塁打 4打点 6盗塁 OPS.582
 
張本優大(はりもと まさひろ)
捕手
右投右打
182センチ/92キロ
菊華高 ― 佛教大
2013年育成選手ドラフト4位
2016年7月31日 支配下選手登録(2019年から育成選手として再契約)
◇通算成績
公式戦出場記録なし
 
堀内汰門(ほりうち たもん)
捕手
右投右打
175センチ/76キロ
山村国際高
2014年育成選手ドラフト4位
2018年3月27日 支配下選手登録
◇通算成績
公式戦出場記録なし
 
長谷川宙輝(はせがわ ひろき)
投手
左投左打
175センチ/80キロ
聖望学園高
2016年育成選手ドラフト2位
2019年11月22日 ヤクルトに支配下選手として入団
◇通算成績
公式戦出場記録なし