「昨年と比較してストレートが、かなり良くなった。それにスクリュー気味のシンカー系のボールも、とても良い。どこでも使える選手で先発もさせてみたいと思っています」(井口監督)

 「元々良かったけど、今年はパワーアップしている。ストレートに力強さがあるわ」(田村龍弘)

 ロッテの球団公式Instagramの選手への質問コーナーで、井口資仁監督、正捕手の田村龍弘が、中村稔弥のストレートを絶賛した。

 中村稔はプロ1年目の昨季、夏場以降に一軍に定着。シーズン終了後に中村稔は「真っ直ぐの威力をもう少し出してやっていきたいと思います。ファウルではなく、空振りを取れる真っ直ぐを身に付けたいと思います」と話すなど、ストレートに課題を感じたという。

 本人はストレートに納得がいっていなかったものの、昨季のストレートの被打率は.185(54−10)とデータ上では抑えている。秋季キャンプも、威力のあるストレートを投げ込んでいた。

 秋季キャンプ終了後の11月23日から12月4日にかけてシアトルのトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」に派遣され、トレーニングを積み、年が明けてからは1月5日から1月23日にかけて、同じサウスポーのDeNA・今永昇太、広島・高橋樹也、ヤクルト・寺島成輝らと合同自主トレを行った。

 シーズン終了直後に“真っ直ぐの威力をもう少し出してやってきたい”と話していた中村稔弥は、自主トレ期間中に再びストレートについて聞くと、「今の時点(1月25日)で強くなったのかどうかはわからないんですけど、ドライブラインも今永さんとの自主トレもみっちりやってきました。ストレートはまだわからないですけど、自分の感覚では良い調子できていると思います」と手応えを掴みつつあった。

 「リリースの力の伝え方は、教えてもらった最後の3日くらいのときに、自分の中でピンときたんです。今日(1月25日の)ピッチングで初めて試してみたという感じなんですけど、ここから掴めていければいいなと」。

 ロッテ浦和球場で行っていた1月25日の自主トレ直後にこのように話していた中村稔だが、春季キャンプの個別練習のときに「感覚がつかめました」と自身が頭に描く感覚を体で表現ができるようになったそうだ。

 2月6日には松田進に対し約5分間投げたが、「しっかり指にかかったボールが投げられたかなと思います」と納得のいくボールを投げ込んだ。

 練習試合がはじまってからも、力強いストレートを武器に相手打線を封じ込めた。練習試合、オープン戦は7試合に登板し、13イニングを投げて、10奪三振、防御率は0.69。

 3月20日に開幕が予定されていたプロ野球は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、無期延期となっている。いつ開幕するか分からない状況だが、開幕したときには井口監督、田村が絶賛した“ストレート”でパ・リーグの強打者たちをねじ伏せてくれることだろう。

文=岩下雄太