◆ 30代のリリーフ陣が多い

 ロッテは昨季課題にしていた“勝利の方程式”を固定すべく、オフに日本で実績のあるジャクソン、ハーマンを獲得。楽天からFAで獲得した美馬学の人的補償で、昨季54試合に登板した酒居知史が移籍したが、楽天へFA移籍した鈴木大地の人的補償で小野郁を補強した。

 ロッテのリリーフ陣を見ると、守護神・益田直也、セットアッパー候補として期待されるジャクソン、ハーマン、7年連続40登板中の松永昂大、昨季自己最多の58試合に登板した東條大樹、ビハインドゲームで存在感を見せた田中靖洋などがいる。

 リリーフ陣の顔ぶれを見ると、30代の投手が多いのはやや気になるところ。“実力”の世界で、年齢で判断するのは良くないが、勢いのある20代のリリーフ投手の台頭が待ち望まれる。そのなかでも、ストレートに力がある新加入の小野、2年目を迎える東妻勇輔は、一軍のリリーフ陣に割って欲しい存在だ。

◆ 新天地で活躍なるか

 150キロを超えるストレートと2種類のスライダーが持ち味の小野は、昨季まで所属した楽天での5年間で、通算39試合に登板して、0勝1敗、防御率7.30だったが、ファームでは2年連続で最多セーブ投手となっている。

 松本球団本部長は、小野の入団会見で「これからのピッチャーだと思っています。楽天にもし来季(2020年)いたとしても、一番いい年になるんじゃないかなと思っています」と期待を寄せた。

 小野も「優勝目指してやっているので、優勝するときに自分も一軍の優勝に立ち会えるように、しっかり結果を残して一軍でフル活動したいというのはありますね」と新天地での飛躍を誓った。

 練習試合では失点する場面もあったが、オープン戦では3試合に登板して、いずれの登板も無失点に抑えた。3月11日の日本ハムとのオープン戦では、力強いストレートで1イニングを無失点に抑え、井口監督も試合後に「今日はかなりスピードが出ていた」と評価していた。

◆ 飛躍の2年目へ

 東妻は昨季、開幕直後に制球に悩んでいたが、徐々に解消されシーズン後半にはセットアッパーを任されるまでになった。

 2年目の今季に向けて、新人から6年連続50試合以上に登板し、経験豊富なソフトバンク・森唯斗と自主トレを敢行。「いろいろ大変多くのことを教わりましたし、全体的に良い経験ができた」と充実の時間を過ごした。

 この自主トレで「森さんにカーブを投げた方がいいよと言われました。自分的にはカーブを投げるのが上手くなかったのですが、カーブの握りで(腕の振りは)緩めなくてもいい、思いっきり腕を振ればいいと言われました。縦スラみたいになるんですけど、それをカーブという名目で使っています」と森からカーブのコツを教わった。昨季、被打率.385だった右打者の対策のひとつとして、カーブを積極的に投げていく考えを春季キャンプのときに示している。

 ジャクソン、ハーマンといった実績のあるリリーフが加入したが、「相手を見るほど僕も余裕がないので、自分のことから入って、勝負できていると思っていない。まずは自分からですね」と自身の技術力アップが最優先であることを強調した。

 そのほかにも、練習試合、オープン戦でロングリリーフを中心に存在感を見せた左の中村稔弥、昨秋に肘の位置をやや下げた成田翔、フェニックス・リーグで自己最速となる153キロをマークした高卒2年目の土居豪人などがいる。

 将来を見据えれば、若いリリーフ投手の台頭は必須。一軍定着するとともに、勝利の方程式として期待されるジャクソン、ハーマンを脅かす存在になってほしいところだ。そうなることで、リリーフ陣の層が厚くなり、リーグ制覇も見えてくる。

文=岩下雄太