◆ “不敗の男”ニールの13連勝は…

 西武の木村文紀選手がチームを包み込む重い空気を、そのバットで見事に振り払った。

 連敗の中の西武は、昨季から12連勝中の“不敗の男”ニール投手が要所を締めるピッチングで試合を作ると、4番・山川穂高選手の2打席連発で3−1とリードしたまま終盤へ。ところが迎えた7回表、一死一塁から8番・牧原大成選手のファーストゴロを、二塁封殺を焦った山川が後逸し、そこからピンチが拡大してしまう。

 一死満塁となり、好調な栗原陵矢選手に打席が回ったところで、西武は左の小川龍也投手を投入。しかし、栗原に2点適時打を許すと、後を受けた平井克典投手も柳田悠岐選手に適時打を浴び、試合をひっくり返されてしまった。


◆ ムードを一変させたグランドスラム

 本来であれば、ヒーローになり得た主砲の失策から勝ちパターンとして計算されているリリーフ陣が打たれての3失点。さらに8回裏、一死満塁の得点機で打席に入った栗山巧選手が痛恨の一ゴロで二死となり、このまま敗戦を喫すると今カードの負け越しが決定するなど、ズルズルといきかねない苦しい場面で、木村の一振りが全てを救った。

 二死満塁、外角低めのストレートを見逃しての1ボールからの2球目、「何も考えず、来た球に対して強く振っていこうと」いう意識から外寄りのストレートに対して強振。「打った瞬間に入ると思った」という打球がバックスクリーン左横で弾み、西武は逆転に成功した。

 最後は、守護神の増田達至投手がきっちりと三者凡退に打ち取りゲームセット。8回表を三者三振に仕留めて流れを作った新助っ人のギャレット投手が来日初白星を手にし、チームの連敗もストップ。今カードの対戦成績も2勝2敗の五分となった。

 試合後、辻発彦監督は「今日の勝利は大きいどころじゃない。きょう負けたらまずいなというところだった」と胸をなでおろしつつ、「木村の一発がチームを救った」と殊勲の一打を放ったヒーローを称賛。「昨年までの木村とは全然違う、バッティングが良くなっているので楽しみ」と続け、その成長ぶりに目を細めた。