ファンと球場で会える日を楽しみにしているバレンティン

 シーズン60本塁打のプロ野球記録保持者が、常勝軍団の四番を託されることになりそうだ。バレンティンは、来日10年目にして新たなスタートを切る。3年連続日本一の王者においても際立つ存在感。「チームにはいい選手がそろっている。グラシアル、デスパイネ、柳田悠岐とね。監督の決めたところで頑張るよ」。打順のこだわりはないが、通算288本塁打の実績が“適所”を物語る。

 昨季は主軸に故障が相次ぎ、2年連続でリーグ優勝を逃した。V奪回の切り札として加わり、工藤公康監督からは「あれだけ実績のある選手。(昨季の)得点数が(リーグ)4位ということもあったし、頼もしいしありがたい」と評価され、得点力アップのキーマンに挙げられた。オープン戦でも10試合の出場で打率.350、2本塁打、10打点と結果で応えた。気合い十分で新シーズンに突入するはずだった。

 だが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕の時期さえ決まらない。オープン戦も無観客で行われ、新天地のファンに勇姿はいまだ見せられていない。「ファンの前でプレーすることが一番楽しい。みんなでできないことはさみしいよ。一日でも早く球場で会えることを楽しみにしている」。

 球団施設での自主練習は解禁となり、本拠地でフリー打撃も行った。「自分のパワーを確かめたかった。本塁打を打てるか。自分のスイングができたよ」。自宅ではウエート・トレーニングに励む一方、テレビゲームや映画鑑賞で気分転換している。「ニュースでも流れているけど、なるべく家から出ないようにして。そうすれば一日でも早く開幕ができるのでは。みんなで協力して頑張りましょう」と心から呼び掛けた。

写真=湯浅芳昭