昨季まで2年連続本塁打王に輝いた山川

 昨季の悔しさは絶対に忘れない。2018年、初めて全143試合で四番に座り本塁打王を獲得した。誰もが「西武の四番は山川穂高」と認める存在となり、昨季はその足場固めに挑んだが、シーズン通して状態が上がらず、「打率、打点、ホームラン、すべて思い描いたとおりにならなかった」。結果、8月11日から中村剛也に四番を譲ることとなったのだった。

 それでも43本塁打を放ち、2年連続のタイトル獲得は、実力以外の何ものでもない。6度の本塁打王に輝いた中村も、「本来は山川が四番を打つべき」と掛け値なしに認めている。辻発彦監督からの信頼も厚く、今季はオープン戦からメンバーをほぼ固めて挑んだ中、四番は常に山川だった。

 当然、本人も小学生時代から立ち続けてきた“打の定位置”に強いこだわりを持っている。悔しいと同時にあこがれ続けている中村が18年目で見せたその技術力の高さに、「やっぱりすごい」とあらためて畏敬の念を深めた。「中村さんに勝つには、あれ以上にならないといけない。勝って、四番は絶対に譲らない」。今度こそ、『不動の四番』を完全に引き継いでみせる。思いの強さを表すように、自主トレ、キャンプと誰よりも徹底的にバットを振った。その成果はオープン戦でも結果に現れた。

 本塁打へのこだわりは、これまでと一切変わりはない。だが、「50本」を掲げ、力んで狙った昨季とは違い、今季は至って「シンプル」にいく。「その結果、本塁打も率も打点も増える可能性が高い」。尊敬する落合博満氏、中村も果たせなかった3年連続本塁打王へ向け、視界良好だ。

写真=BBM