チームの勝利に貢献するとともに、3年連続最多セーブのタイトルに挑む

 日常の大切さに気づき、山崎康晃が決意を新たにした。「何も考えず野球ができていた環境が当たり前になっていた部分はある。あらためて幸せだったなということ」。新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が延期となり、横浜スタジアムで自主練習が続いていた頃。オンライン取材を通じ「まず自分のできることを徹底して身を守り、その後に野球なのかなと今は思います」と素直に言葉をつないだ。誰もが願っている事態の終息。野球ができることに感謝しながら、一歩ずつ前進している。

 泣きどころの一つだった抑えのポジション。それを完全に埋めたのが2015年だった。プロ1年目から新人最多記録となる37セーブ。大きな故障離脱もなく、163個のセーブを積み上げてきた。一昨年から2年連続で最多セーブのタイトルを獲得。絶対的な地位にまで上り詰めた。10月で28歳。昨年オフには初めて、メジャー挑戦の希望も公表した。「あくまでも来年は日本一のため、ベイスターズのために頑張りたい。その延長線上に将来、自分の夢があります」。侍ジャパンでも代えの利かないクローザー。思いは胸にしまい「絶対的な守護神として、1年間投げ続けていきたい」と粉骨することを心に誓った。

 3月のオープン戦は5試合すべて無失点。「空気を変えられる。相手に威圧感を与えられるようになるのが一番」とさらに高次元の理想を追い求めている。宝刀・ツーシームに頼るだけでなく、スライダーやカットボールも精度向上。「打者が分かっていても直球でいく投手でありたい」と貪欲な姿勢は頼もしいばかりだ。試合数は減りそうだが、史上最年少での通算200セーブにも挑戦。覚悟を持ったシーズンになる。
写真=井田新輔