一軍デビューはほろ苦いものに

 まだ、真のスタートは切れていない。昨年のドラフト1位右腕・奥川恭伸が2年目を迎えた。「もう少し活躍したかった」というルーキーイヤーは、たしかに山あり谷ありのシーズンだった。

 昨年1月の新人合同自主トレ中に、右ヒジに軽度の炎症を発症し、ノースロー調整。その後は順調に歩みを進めていたが、7月には上半身のコンディション不良で、再びスローペースの調整を余儀なくされた。

 念願の一軍初登板は、シーズン最終戦となった11月10日の広島戦(神宮)。3回途中9安打5失点で初黒星を喫し、ほろ苦いデビュー戦となったが、壁にぶつかり、悔しさを味わったことが大きな経験となったことは間違いない。

「肌でプロのレベルを体感できたことは、投げるのと投げないのとで、すごく大きな差だと思うので、そこで得たものをしっかり生かしたいと思います。自分の実力を出せるような投球をしていきたいです」

 2021年を飛躍の1年とすべく、オフシーズンは体づくりから取り組んだ。「ケガをしない体をつくることが一番大切」と自認するように、2度の故障で思うような調整をできなかったのは事実だ。「自分の体の弱い部分も見つけ出して、そこを変えていかないと、また同じ結果になる。強い体を手に入れたい」と、一から自身の体と向き合った。

 年末年始は故郷・石川県に帰り、1月2日から始動。2月の春季キャンプは、一軍スタートが決まった。4月に20歳となる右腕は「もちろん勝ちたいです。小さくまとまるようなことだけはしたくない。目指すところは大きくやっていきたい」と気合十分。努力の先に、道は開ける。

写真=BBM