10年に一人の逸材、佐々木朗希の最大の敵は?/川口和久WEBコラム

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みんな笑顔で即入団決定ってなんだかな……



ドラフト会議での佐々木

 ドラフト会議が終わったけど、最近は、ほとんど拒否がない。

 まあ、それはそれでいいのだが、テレビ中継が入り、観客もいてと、ショーアップされた中で、指名された選手が断れないような雰囲気になっている気がする。
 プロ野球に就職するんだから、どこでも同じ、というのはプロ野球側の勝手な理屈だと思う。選手には必ず小さいころからあこがれのチームや選手がいるはずだ。
 しかもはっきり言えば、入った球団によって、同じ結果を出しても給料も違えば、引退後のケアも違う。

 選手も本音を言えば「ああ、ここだったか……」とか「本当はこっちがよかったのに」と思っているはずなのに、テレビで生中継し、くじを引いたチームの監督がニコニコしながらインタビューを受け……で、それがどんどん言いづらくなっている。
 拒否したら面倒くさいヤツに思われそう、とかね。

 拒否しても、まったく問題ないと思うけどな。人生の大事な選択だ。もっとわがままになってもいい。

 失礼、今回はそういう話をしたいわけじゃなかった。

 ドラフトの目玉、大船渡高の佐々木朗希が交渉権をロッテが引いた。井口資仁監督の運というのは、すごいね。
 対して巨人・原辰徳さんのくじ運は……というのは週べに載せた。そちらで読んでほしい。

 佐々木も指名を喜んでいるみたいだから、たぶん入るんだろう。それはそれでいいんだが、俺は少し心配している。
 あのZOZOマリンの風だ。

 あの球場に行くたびに、「ここは特殊だな」と思う。
 海風がセンターから吹き込んで、バックネット側で跳ね返され、投手には向かい風になるんだが、無風なんてまずありえない。グラウンドレベルでも、いつも風が吹いている。
 風が強くなると、ピッチングにも影響する。変化球の曲がりがより大きくなり、ストレートは勢いがなくなるか、逆に浮く。

 マリンで勝つ投手というのは、石川歩のいいときがそうだが、風の使い方がうまい。
 変化球を風を使ってうまく変化させ、低めに真っすぐを投げ、風に乗って浮かせたりする。
 いわゆる風使いの技術がマリンでは必要になるんだ。

 あの球場で、佐々木が持ち味を出せるかと言えば、現状では難しいだろう。今の彼の魅力は、多少制球がアバウトだが、思い切って腕を振り、160キロ前後の球を投げるということだ。
 
 もし佐々木が、1、2年目からあの球場で結果を出そうとなったら制球力を上げるために、フォームをコンパクトにし、球速は150キロでいいと(それでもすごいが)落としていくしかない。
 ただ、これはプロ野球の「あるある」だが、高校時代、荒々しいフォームで魅力があった選手が、プロでフォームがこじんまりし、並みの投手になってしまうことはよくある。
 それってもったいないよね。

 少しでも早く165キロの佐々木をマリンで見たいなら、多少、過保護は必要かもしれない。
 マウンドの高さを彼に合わせるとか、風が強い日は、外野から風が吹き込まないように球場を改造するとかね。
 それも大げさだから、チームもファンも時間がかかることは覚悟したほうがいいと思う。
 
 いずれにせよ、佐々木が10年に一人の大器ではあることは間違いない。ロッテの首脳陣もしっかりどこにターゲットを置くのか定め、育成方針を固めていかないとね。

 井口監督、楽しみにしてますよ!

写真=BBM


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