松井稼頭央、大友進、高木大成、鈴木健、マルティネス、小関竜也……和田一浩&石井貴、豊田清……西口文也「西武“ポスト黄金時代”の若獅子たち」/プロ野球20世紀の男たち

松井稼頭央、大友進、高木大成、鈴木健、マルティネス、小関竜也……和田一浩&石井貴、豊田清……西口文也「西武“ポスト黄金時代”の若獅子たち」/プロ野球20世紀の男たち

プロ野球が産声を上げ、当初は“職業野球”と蔑まれながらも、やがて人気スポーツとして不動の地位を獲得した20世紀。躍動した男たちの姿を通して、その軌跡を振り返る。

Hit! Foot! Get!



西武・松井稼頭央

 西武の黄金時代は、1990年代に入り、絶頂期を迎える。90年からリーグ5連覇、3年連続で日本一。攻守に緻密な野球が底力となっていたのは間違いなかったが、本塁打が重要な得点源だったのも確かだった。東尾修監督となった95年からは、82年に初優勝を飾って以来、初めて2年連続で優勝を逃す。そのオフには主砲の清原和博がFAで巨人へ。黄金時代の終焉は、新たな野球の幕開けでもあった。新たに西武が掲げたのは「Hit! Foot! Get!」。つまりは機動力野球だ。そして、それを完成させられるだけの戦力も、着実に整いつつあった。

「2人で100盗塁」という目標を課せられたのが松井稼頭央、大友進の一、二番コンビ。最初は大友が一番で、5月に失速したことで打順が逆になったが、これが結果的に、さらなる飛躍を呼び込む。松井は自己最多の62盗塁で盗塁王に。大友は31盗塁、三番の高木大成も24盗塁で続いて、最終的にはチーム200盗塁。「2人で100盗塁」という数字の目標には届かなかったものの、機動力野球の完成という大きな目標は1年で達成したと言えるだろう。

 松井と大友は高校まで投手で、高木大は捕手。西武で松井は内野手に、大友は外野手に。高木は不動の司令塔として君臨する壁に阻まれ、その97年シーズン途中に一塁へ回って“大成”。そんな3人に続くクリーンアップも躍動する。四番の鈴木健は19本塁打にとどまったが、自己最多の94打点を稼ぎ、出塁率.431はリーグトップ。五番のマルティネスは来日1年目ながら31本塁打、108打点、打率.305と打撃3部門で大台を突破した。長打力を秘めた垣内哲也や、いぶし銀の高木浩之も下位に並び、打順が一番に戻れば再び「Hit! Foot! Get!」。10月3日のダイエー戦(西武)の延長10回裏、鈴木のサヨナラ本塁打でV奪還を決めた。

 打線の快進撃は西武ドーム元年となった翌98年も続いた。松井は43盗塁で2年連続の盗塁王。高木大はキャリア唯一の2ケタ17本塁打、鈴木も自己最多の22本塁打を放つ。垣内は左ヒザ手術で出遅れたが、4年目の小関竜也が後釜に座ってブレーク、圧倒的な得票数で新人王に。高木浩と松井の二遊間、大友と小関の外野守備も堅実だった。

 ただ、前年ほどの機動力がなかったこともあって西武も勢いがなく、日本ハム、ダイエー、近鉄と4チームで優勝を争う混戦に。首位に立ったのは15日間だけだったが、10月7日の近接戦ダブルヘッダー第2試合(西武ドーム)で連覇を達成。この試合で、シーズン2試合目の先発マスクとなった和田一浩が勝ち越しの2ランを放っている。

連覇の立役者となった“踊るエース”



西武・西口文也

 顔ぶれが大きく変わったのは打線だけではない。97年は、黄金時代はリリーバーとして活躍した潮崎哲也が先発に回って12勝。V4の93年の入団だが、逆に21世紀のリリーバーとしての活躍が印象に残る豊田清も先発で10勝、V5の94年に入団した石井貴も10勝を挙げてブレークし、移籍1年目のデニーもリリーバーとして開花したが、不動のエースは連覇が途切れた95年に入団した西口文也だった。

 当初は、踊るような投球フォームが“タコ踊り”などと揶揄されたが、2年目の96年に16勝を挙げて、そんな声を沈黙させる。Vイヤーの97年は15勝、192奪三振で最多勝、最多奪三振。勝率.750もリーグトップで、特に終盤は先発、救援で投げまくって優勝の立役者となり、MVP、沢村賞にも輝いた。

 翌98年に西武が失速したのには、西口の不振も大きい。だが、6月の上旬からの強制ミニキャンプで復活すると、後半戦はハイペースで勝ち星を稼ぎ、逆転優勝の原動力に。最終的には13勝、148奪三振で、2年連続で最多勝、最多奪三振のタイトルを獲得している。

 ただ、日本シリーズでは、97年はヤクルトに機動力を封じられ、98年は38年ぶりの歓喜に沸く横浜の勢いにのまれて、ともに苦杯を喫する。日本一の座を奪還するのは、21世紀に入るまで待たなければならなかった。

写真=BBM


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