上沢がマウンドに戻ってくる日を多くの野球ファンが待っている

 連日多くのファンや報道陣でにぎわいを見せる、沖縄・名護市での日本ハムの一軍キャンプ。そこから車で約40分ほどの距離には二軍キャンプ地の国頭村がある。エメラルドブルーの海と色濃い自然が残り、沖縄のどこかのんびりとした雰囲気も漂う。

 今年から一軍と二軍のキャンプ地が沖縄で一本化されたことで、報道陣たちも車を連日フル稼働しながら両方のキャンプ地をめぐることができるようになった。特に今回のキャンプは二軍には吉田輝星、清宮幸太郎、ドライチルーキーの河野竜生、大ベテランの宮西尚生なども他の若手たちと汗を流しており、動向が気になる選手が多くいる。

 2月13日。吉田輝や清宮らに視線が集まる中、1人の選手がグラウンドの少し離れた場所で黙々とネットスロー、1つひとつの動きを入念に確認しながらのキャッチボールを繰り返していた。上沢直之。昨年の交流戦で試合中に打球を受けて左膝蓋骨を骨折し、本人にとってもチームにとっても痛すぎる戦線離脱となってしまった。

 その後は手術を経て懸命のリハビリを行いながら、まだ痛みが残る中で自分の体と向き合いながら復帰への道を一歩ずつ歩んでいる。ほかの投手陣が第1クール、第2クール、第3クールと順調にメニューをこなす中で焦りがないはずはないが「いまは自分ができることをしっかりやるしかないので」と、時に自分を律しながら復帰へのマウンドを冷静に見据えている。

 チームが優勝するためには絶対不可欠な右腕。現状では早くて6月の復帰とも言われているが、この男の力は誰もが分かっているし、焦ることなく一軍のマウンドに立つ日は100パーセントの状態で戻ってきてほしい。

 昨年生まれた愛娘のためにも、新米パパが増えた家族も力に変え、今日も懸命に沖縄の空の下で汗を流している。

写真=BBM