巨人・戸郷翔征

 3月15日にオープン戦の全日程が終了した。当初予定されていた今月20日の開幕戦が新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期となり、各球団は来月10日以降に決まる新たな開幕日に向けて練習試合などで調整を続ける。オープン戦を消化して収穫と課題が明確になる中、最も頭を悩ませているのが昨季のセ・リーグ覇者・巨人ではないだろうか。

 オープン戦、2勝10敗4分で最下位。2月24日の広島戦(那覇)から9連敗を喫し、13試合勝ち星なしでオープン戦を終えた。オープン戦で8連敗以上したチームは巨人で12チーム目だが、過去にリーグ優勝したチームは一つもない。また、過去20年のオープン戦最下位のチームのシーズンの成績を見ると、01年に近鉄、08年に巨人がリーグ優勝した年を除き、18球団がBクラスに沈んでいる。不吉なデータが並ぶが、データはあくまでデータだ。シーズンとオープン戦の戦い方はまったく別物で過度に気にする必要はないだろう。

 それより深刻なのが、崩壊状態の投手陣だ。昨年15勝4敗と勝ち頭として貯金11を作った山口俊の穴を埋める算段がついていない。先発で計算できるのはエース・菅野智之のみ。韓国・SKから獲得したエンジェル・サンチェスは2番手で期待されているが不安が残った。昨季は韓国球界で165イニング投げて被本塁打はわずか2本と球質の重い直球が武器だが、オープン戦で初対戦のヤクルト・青木宣親、広島の安部友裕に被弾するなど制球の甘さが目立った。日本のマウンドへの適応など準備期間が必要だが、菅野と「ダブルエース」構想が崩れると大きな痛手になる。

 3番手以降も心許ない。救援から先発に再転向の田口麗斗はまずまずの内容を見せたが、高卒2年目の戸郷翔征は10日のソフトバンク戦(PayPayドーム)で4回途中10失点の大炎上。昨季自己最多の8勝をマークした桜井俊貴もオープン戦で精彩を欠き、先発剥奪の危機に直面している。来日2年目の昨季8勝をマークしたC.C.メルセデス、2年目左腕・高橋優貴はともに左ヒジ痛から開幕先発ローテーション入りを目指すが万全の状態とは言えない。昨年の秋季キャンプからサイドスローに転向した鍬原拓也、今村信貴、宮國椋丞らと先発の枠を競うが、ハイレベルな競争と言えないのが正直なところだ。
 
 救援陣も昨季67試合に登板して「陰のMVP」と評されるほどの活躍を見せた中川皓太が疲労を考慮して残留調整を続けている。開幕に向けてペースを上げていくと見られるが、不在の事態になれば、田口も救援から先発に転向するため層が薄く苦しい事態となる。課題が山積する中、名将・原辰徳監督はどうやりくりするか。その手腕が注目される。

写真=BBM