オープン戦も終わり、各チームの助っ人外国人の実力もある程度判明してきた。もちろん、オープン戦は絶好調だったのに「開幕するとまったく打てなくなる」ケースも少なくないが、現時点ではどのチームの助っ人が好調で、どのチームが厳しいのかをまとめてみた。

パーラ以外にも頼れる野手が欲しい



巨人・パーラ

●巨人
 2017年以来となるオープン戦最下位になってしまった巨人。助っ人投手はC.C.メルセデスが復帰し、新戦力のチアゴ・ビエイラが5試合で2失点と好調を維持。一方、野手はMLBから加入した期待のヘラルド・パーラがいるものの、練習試合とオープン戦序盤に大暴れして支配下登録を勝ち取ったイスラエル・モタが不振で二軍調整という状況。パーラ以外にもう一枚頼れる外国人野手が欲しいところだ。

投打に助っ人が充実



DeNA・オースティン

●DeNA
 最も助っ人が充実しているのはDeNAだろう。投手はエドウィン・エスコバーとスペンサー・パットンの両リリーフエースに加え、新加入のマイケル・ピープルズもオープン戦2試合目で好投し、開幕先発ローテに入りが期待されている。野手も、ホセ・ロペスとネフタリ・ソトの不動のレギュラーがいるが、新加入のタイラー・オースティンがオープン戦4本塁打と活躍。一軍登録4人の枠に誰が選ばれてもおかしくない。

充実の投手陣だが期待のボーアが不調



阪神・ボーア

●阪神
 阪神は投手陣を支えてきたランディ・メッセンジャーやラファエル・ドリスがいなくなったが、新加入のジョン・エドワーズがオープン戦で好投し、戦力になることを証明。同じく新戦力のジョー・ガンケルも好調でローテーション入りが確実とされているが、3月19日の試合で7失点とやや不安な状況。野手はジェフリー・マルテが好調で、大山悠輔との四番、三塁争いが面白い。一方、四番候補の期待の新助っ人、ジャスティン・ボーアは思うようなバッティングができていない。開幕までに復調できるだろうか。

新戦力のホセ・ピレラの起用に注目



広島・ピレラ

●広島
 広島はドーピング問題で契約保留中だったサビエル・バティスタとの契約を解除。野手の戦力低下が懸念されたが、新戦力のホセ・ピレラがオープン戦で25打数10安打と上々の結果を残している。上位打線にピレラを起用する可能性もある。ただ、西武戦で受けた死球の影響で当面三軍調整になるようだ。投手陣は、主軸となるクリス・ジョンソンがオープン戦不調で、ヘロニモ・フランスア、新戦力のDJ.ジョンソン、テイラー・スコットで抑えとセットアッパーの座を争っている状況だ。

今シーズンも強力な助っ人投手はそろう



中日・ゴンサレス

●中日
 中日は頼れる野手助っ人がダヤン・ビシエドのみという厳しい状況。育成選手のモイセ・シエラが8打数2安打とまずまずの結果を残しているが、支配下には至っていない。もう一人の支配下選手であるソイロ・アルモンテの復帰がいつになるか分からないのもマイナス材料だ。一方、投手陣は今シーズンも安定しているライデル・マルティネスに加え、新戦力のルイス・ゴンサレスも6試合で防御率0.00とパーフェクトな出来を披露。2人が好調を維持すれば他球団の脅威になることは間違いなさそうだ。

投手は期待できそうだが打撃は心許ない



ヤクルト・エスコバー

●ヤクルト
 MLBで活躍したアルシデス・エスコバーを獲得したヤクルトだが、11試合に出場して打率.129と期待外れの印象。現在支配下登録されている野手の助っ人はエスコバー1人だけなので、このまま不調が続けばシーズン中に再補強せざるを得なくなる。ウラディミール・バレンティンの抜けた穴は大きいようだ。投手陣は、加入2年目のアルバート・スアレスと新戦力のガブリエル・イノーアが好調で、公式戦でも期待できる。

頼れる助っ人加入で投手陣の立て直しが図れるか



西武・ニール

●西武
 西武の助っ人野手は、残留したエルネスト・メヒアと新戦力のコーリー・スパンジェンバーグの2人。スパンジェンバーグはどちらかといえば守備タイプなため、メヒアの出来がチームの攻撃力を左右することになる。ただ、メヒアはオープン戦では本塁打0本と不安な要素もつきまとう。投手陣は先発ローテーションの要となるザック・ニールがオープン戦でも好調で、新戦力のリード・ギャレットも2試合で被安打1本と、中継ぎとしての活躍が期待される。

主力が負傷も充実の戦力



ソフトバンク・バレンティン

●ソフトバンク
 ソフトバンクは新加入のウラディミール・バレンティンの存在が大きい。昨季はヤクルトで33本塁打を放ち、その打力はいまだ健在。負傷しているアルフレド・デスパイネとジュリスベル・グラシアルの穴を埋めるに十分な戦力だ。投手はリック・バンデンハークとデニス・サファテがオープン戦で好投し、復調の気配を見せている。また、新戦力のマット・ムーアも3試合で失点を許さないピッチングを披露。昨季37HPのリバン・モイネロも再来日した。バレンティンには外国人枠の問題はないが、それでも一軍に誰をチョイスするのか、工藤公康監督も悩みどころだろう。

今シーズンも投打に強力な助っ人を擁す



楽天・ロメロ

●楽天
 楽天はゼラス・ウィーラーがオープン戦打率.304と好調で、オリックスから加入のステフェン・ロメロも打率.273とまずまずの結果を残した。いずれも外野手のため、主砲のジャバリ・ブラッシュとポジションを争うことになるだろう。投手には外国人選手が3人いるが、中でも新加入のジョン・トーマス・シャギワがオープン戦5試合3安打無失点と好投。アラン・ブセニッツもオープン戦無失点と好調のため、中継ぎ争いが激化している。

新加入の投手は明暗が分かれる



ロッテ・ジャクソン

●ロッテ
 ロッテは加入2年目のレオネス・マーティンがオープン戦打率.286とまずまずの成績を残しており、このまま順調なら外野のレギュラーに選ばれる可能性もある。もう一人の野手助っ人のブランドン・レアードはオープン戦打率.160と調子が上がらず。三塁を争う福田光輝が好調のため、投手陣次第では二軍落ちも考えられる。投手陣は、広島から加入したジェイ・ジャクソンが5試合無失点と好調を維持。一方、楽天から加入したフランク・ハーマンは1試合で防御率9.00と新加入の2人は対象的な成績を残している。

投手は開幕に向けて立て直しが急務



日本ハム・ビヤヌエバ

●日本ハム
 日本ハムは2018年に10勝を挙げたニック・マルティネスが、オープン戦先発3試合7失点とまずまずの結果を残したが、入団3年目のブライアン・ロドリゲスや新加入のドリュー・バーヘイゲンは不安定な投球で失点を重ねており、開幕に向けて立て直しを迫られている。野手は2年目の王柏融がオープン戦打率3割と好調な一方で、巨人から加入したクリスチャン・ビヤヌエバは12試合に出場して打率.100とスランプに陥っている。

アダム・ジョーンズがまさかの不調



オリックス・ジョーンズ

●オリックス
 MLB通算282ホームランの大物助っ人アダム・ジョーンズを獲得したオリックスだが、オープン戦では20打数2安打と実力を発揮できていない状況だ。昨季加入したスティーブン・モヤも期待されたほどの活躍ができておらず、オープン戦で豪快な本塁打を放った新助っ人のアデルリン・ロドリゲスもレギュラーになるほどのプレーが見られない。投手は抑えのブランドン・ディクソンがいるが、新戦力のタイラー・ヒギンスが中継ぎでまずまずの結果を起こしている。

 12球団の助っ人外国人事情を振り返ってみると、最も戦力が充実しているのはDeNAだ。ほかのチームからすると一人でいいから貸してほしいと思えるレベルの選手がそろっている。次に充実しているのはソフトバンク。主力外国人2人が負傷もあり再来日が未定だが、バレンティンがオープン戦も好調なため穴埋めはそう難しくないだろう。投手陣も層が厚い。

 一方、かなり心許ないのがヤクルトだ。オープン戦でのチーム打率は全球団最下位の.215。村上宗隆という若き大砲が育ったものの、バレンティンの抜けた穴は大きく、新戦力では埋めきれてない模様。スアレスとイノーアは好調の投手陣を援護するためにも、既存の助っ人が復調や、さらなる新戦力の獲得が必要となるかもしれない。

 オープン戦が終了した3月15日時点での成績を基に、各チームの助っ人外国人たちの現状をまとめてみた。ただ、今シーズンは新型コロナウイルスの影響で開幕が後ろ倒しになるため、現在不調の選手がこの期間の間に大きく調子を上げることも考えられる。

 反対に、調子のよかった選手が絶不調に陥る例も少なくないため、いざ開幕すると評価が激変することもある。果たして現在戦力が充実しているDeNAは開幕しても好調を維持するのか、それともヤクルトの助っ人たちがまさかの活躍を見せるのか。開幕を楽しみに待ちたい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM