巨人二軍コーチ陣の魅力



現役時代の松本哲也



 野球もないし、暇なんで、週べのバックナンバーを読み返したりすることもあるが、一番面白いのは選手写真名鑑だ。

 いつもは解説の参考にしようと、選手のデータや寸評をじっくり読むが、だいぶ前にそれも終わってしまい、今は監督、コーチのところを読んでいる。
「あ、こいつには、あのとき打たれたな」とか「こいつはカモだったな」と思いながらだが、いつの間にか対戦経験もない、若い連中も増えているけどね。

 その中で一番、思ったのはジャイアンツのすごさ。それも二軍スタッフだ。

 監督・阿部慎之助から始まり、選手経験のないトレーニングコーチを除けば、村田修一、杉内俊哉、木佐貫洋、片岡治大、松本哲也。
 全員がタイトルか表彰(新人王など)経験者でしょ。あ、實松一成がいた。いや、サネの人柄は誰もが買っているし、俺も大好きだよ。

 それだけなら「今頃気づいたの」と言われそうだけど、俺は感じたのは、「全員が少し違うジャンルで一流だな」ということ。

 捕手で左の強打者・阿部は、打者としては長打もアベレージも兼ね備えたスーパースターだ。
 サードで右の強打者・村田、左投手の杉内、右投手の木佐貫、セカンドで盗塁王の片岡、左投げの外野で、俊足で守備範囲が広く、盗塁も多かった松本。もちろん、捕手で経験豊富な實松。

 経歴的にも、生え抜き、移籍、復帰と多彩。しかも地域リーグも経験している村田、育成から這い上がった松本。さらに言えば、故障経験もいろいろあり、意外と苦労人ぞろいでもある。

 特に俺は松本哲也がここにいるのがいいな、と思う。育成から一軍に上がり、身長168センチもさばよんでいると思うくらい小さな体ながら、堅実な外野守備と足の速さを武器に出番を増やし、新人王になった。

 彼は自分が巨人という巨大戦力のチームの中で必要とされるには、何を磨くべきなのかいつも考えていた選手であり、しかも新人王と結果も出した。
 きっと若い選手を勇気づけるアドバイスがたくさんできているだろう。

 この人選に原辰徳監督の二軍コーチに対する考え方がはっきり出ていると思う。
 
 指導者としての経験不足を言う人もいるかもしれないが、選手時代の実績は、選手に対する説得力が増す材料だ。加えて、二軍のどんなタイプの選手が、どんな悩みを持っていても、それをぶつける一流の相手がいる、ということ。向上心のある選手なら、自分から彼らにぶつかっていくはずだ。
 二軍の選手は彼らと一緒に自分のストロングポイントを磨き、一軍にはい上がってこい、というのかな。
 これで強くならなかったらおかしいくらいだと思っている。

 阿部監督の熱血叱咤激励ばかりが注目されるが、今年の巨人の二軍の首脳陣は面白いと思うよ。